「夕立が突然降った時は、ひとまず濡れる」
大統領府のある参謀は、米国産牛肉輸入再開と関連して、政治的危機に対応する李明博(イ・ミョンバク)大統領のスタイルをこのように描いた。
実際、インターネットと一部の放送番組を通じて「狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)怪談」が広がり、大統領と政府に対して無差別に非難が殺到する状況で、参謀たちの間では「左派勢力の煽動に真っ向から対応しよう」という理念的・政治的反撃論も頭をもたげたが、李大統領は首を横に振ったという。
ある参謀は、「長年の最高経営者(CEO)の経験から、『乙』の境遇に立った李大統領は、『甲』の考えと違っても、すぐに対立するよりもひとまず受けるムチを受けた後、時間をかけて説得するスタイルだ」と話した。
李大統領が14日、未来企画委員会の会議で、ネットなどによる若い世代とのコミュニケーションの重要性を力説したのも、ネットや若い世代という新しい流れと対立するのではなく、これを積極的に自分の側に引きつけ、活用しなければならないという「実用的危機対応観」の一環と見ることができる。
李大統領が15日、ソウル江南区三成洞(カンナムク・サムソンドン)のCOEXで開かれた国家朝食祈祷会で、「国民と歴史の前で傲慢でなかったか…」、「他人に変えろと言うのではなく、自分自身がまず変わる」と言ったのも、「自分の変化を通じて生存を模索する」スタイルを反映する内容だ。
このような李大統領の危機対応方式は、ボクシングで言えばアウトボクサー型に近い。相手が攻撃してくる時はひとまず防御し、反転の機会を待つタイプだ。
李大統領は、「雪が降る時は、ほうきで掃いても仕方がない」という故・鄭周永(チョン・ジュヨン)現代(ヒョンデ)グループ名誉会長の言葉をたびたび引用する。
李大統領は先日の会議の席上で、王会長(鄭周永会長)に仕えた時を回顧し、「鄭会長と意見がぶつかった時、絶対に『だめです』とは言わなかった。時間と機会を見て、不快に思わないように『あの時おっしゃったことは、実はちょっと、このようなものでした』とさらっとほのめかすと、後に結局変えた」と話した。
ある参謀は、「李大統領の言葉がますます『謙遜モード』になるのは、それだけ危機意識を持っているという兆候だ。さらに慎重になった自己省察的な態度は、『牛肉政局』に対する今後の対策がすでに整理されたことを物語っている」と述べた。
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