「なぜ『アンバーアラート(AMBER alert)』の発令に15時間もかかったのか」
米ユタ州ソルトレイクシティーで7歳の少女が行方不明になってから24時間後、隣に住む青年の家で死亡した状態で見つかった。警察は行方不明の届け出があった直後から捜索に乗り出したが、未成年者拉致事件発生時に発令されるはずの警報は、届け出から15時間後に出された。
これをめぐって、警察の対応が遅れたのではないか、「アンバーアラート」発令の適切な時期はいつなのかについての議論が広がっている。
アンバーは、「America’s Missing:Broadcasting Emergency Response」(米失踪事件放送緊急対応)の略字。1996年、テキサス州で誘拐殺害されたアンバー・ヘガマンちゃん(当時9歳)の事件をきっかけに構築された。
未成年者を狙った連れ去り事件が発生すると、有・無線の通信手段をはじめ、地域放送、インターネット、道路交通電光板などを通じて市民に知らせ、共同体全体が子どもの救助と容疑者の逮捕に乗り出すシステムだ。
警察の発表とソルトレイクトリビューンを含め、地元マスコミの報道を総合した事件の経緯は次の通り。
警察に1日午後6時10分ごろ、「娘が兄らと口論になった後、午後2時ごろ家を出たまま、帰ってこない」という電話がかかってきた。行方が分からなくなったのは、昨年、米国へ渡ったミャンマー出身難民家庭の7歳の少女、ソ・ネイムちゃん。すぐさま警察が派遣され、捜索に乗り出した。続いて午後9時半ごろ、警察総長直属の「子ども連れ去り対応チーム」が会議を開いた。
呼び出しを受けたボランティア120名が加わり、未明まで捜索を進めたが成果がなかった。警察は2日午前9時半、アンバーアラートを発令した。さらに増強された捜索チームがグループ別で再び投入された。そしてついに、警察は容疑者5名の身柄を確保した。
結局、同日午後7時ごろ、少女は同じアパートの同じ棟に住む21歳の男の家の浴槽で発見された。激しく殴打された跡がありありと残っていた。死亡時間は1日午後と推定され、性的暴行の有無はまだ確認されていない。犯人は、1ヵ月前に米国へ来たミャンマー難民で、被害者とは知り合いの関係だった。
この事件で、警察の対応が適切だったかどうかについての議論が巻き起こった。コラムニストのレベッカー・ウォルシ氏は、「未成年者に対する誘拐殺害は、4件に3件が連れ去り後3時間以内に行われる」とし、警報発令の遅れを批判した。
特に、徹夜で捜索を行ったボランティアらが2日午前7時ごろ、警察の状況室の前に再び集まったが、「待ってくれ」という警察側の要求で待機を余儀なくされ、5時間近く立った後、再び投入された事実が明らかになり、波紋はさらに広がった。
役割分担も正確でなかったという指摘が出ている。ボランティアのアレックス・ロドリゲス氏(34)は、「担当した地域に到着したが、そこはもう警察による捜索が済んでいたので、再び本部に戻らなければならなかった」と話した。
もちろん、警報を乱用すると警報の効率性が落ちるという点で、警察に矛先を向けるのは妥当ではないという見方も多い。クリス・スナイダー警察局長は、「アンバーアラートをやたらと出すと、『オオカミ少年』の童話のようになりかねない」と述べた。






