米国金融市場に端を発した不安が世界金融市場を揺るがしている。米ドルは世界の主要通貨に対して史上最安値を記録している。しかし、唯一韓国ではドル高で、昨日のウォン相場は週末より31.9ウォン上がった1029.2ウォンで取引を終えた。株価の下落は歯止めがかからず、コスピ指数は1574.44まで下がった。市場が近いうちに安定するという展望はどこにもない。
資金の必要な米国の投資家たちが韓国株を急いで処分したために株価が下がり、ドル不足で為替相場は高騰したという見方もある。しかし、発足から3週間経った李明博(イ・ミョンバク)政権が、経済運用において、国内外からの信頼を得られなかったことにも一因がないか振り返ってみる必要がある。
現政府は大統領選挙の間、ひたすら「経済の立て直し」を叫んで国民の支持を取り付けたが、政権の座についてからは、「国民の期待が大きすぎる」という言葉を繰り返している。今は、前政権の失策や海外の情勢に、経済不安の原因を求めることもできるかも知れない。しかし、遠からず政府の経済面でのリーダーシップや政策能力が批判の対象になる可能性もある。
米国や中国など、波及力の大きい市場で大型の悪材料が生じれば、世界のどの国であれ、その影響から逃れることはできない。しかし政府がどれだけ有効に衝撃吸収政策を打ち出すかによって、各国が受けるダメージは相当異なってくる。まず、政府当局者たちは責任を持って本腰を入れて取り組まなければならない。しかるべき高官が政府の代表となって、明確なシグナルを発し、その結果には実際に責任を持つという風土が確立してこそ、その政府は国内外の市場参加者たちからの信頼を得ることができる。政策当局者たちが為替政策や中央銀行の独立性といった問題をめぐって、学術討論にうつつを抜かしているような態度ばかり示しては、市場の安定に役立つどころか、むしろ安定を崩しかねない。その意味で、企画財政部の基本姿勢や能力が試されているといえる。
世界金融危機の中、国内金融市場も不安に覆われているが、金融委員会はいまだに「引越し中」だ。同委員会は先週末、ソウル瑞草洞(ソチョドン)の旧企画予算処の庁舎に移ったが、事務所の工事が終わらず、職員たちは汝矣島(ヨウィド)の金融監督院にとどまっている。多くの局長たちはまだ、肩書きすら与えられていない。市場状況はめまぐるしく変化しているのに、担当省庁は空回りしているようにしか見えず、市場参加者たちの不安は募るばかりだ。
政府はもう「経済を再生する」という言葉は言わなくてもいい。どのような態度や手段で、これを信じさせ、効果を収めるか、それが問題だ。






