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[オピニオン]湾岸ファンド

Posted January. 16, 2008 07:26,   

世界金融市場を牛耳っていた米国ニューヨークウォール街のグローバル投資銀行(IB)が、あわれな存在となっている。サブプライムモーゲージ(低所得者向けの住宅ローン)の焦げ付き問題で、金庫が底をついたため、資金力のあるスポンサーなら、相手を問わず、協力を求めている。原油高でオイルマネーのあふれる中東の産油国がこのようなチャンスを逃すはずがない。湾岸ファンド(Gulf Fund)が、緊急資金の必要な米国IBの持分を、ただ同然の価格で買い付けている。

◆湾岸ファンドとは、ペルシア湾沿岸の産油国が運営する国富ファンドを意味する。サウジアラビアとクウェート、オーマン、カタールや、アラブ首長連邦国のアブダビ、ドバイの6カ国が運用する金は約1兆7000億ドル。全世界の国富ファンドの半分を占めている。シティグループはアブダビ投資庁から、年11%の収益を保障して75億ドルを借り、メリルリンチは40億ドル貸してくれるところを探している。シティグループの持分3.97%を保有したサウジアラビアのアル・ワリド王子は、昨年11月、シティグループ最高経営者(CEO)をやめさせるのに、裏で影響力を行使した。

◆韓国の国富ファンドである韓国投資公社(ITC)も、名の知られた外国系金融会社2社から持分の投資提案を受けたが、断った。財政経済部や韓国銀行など、「上層部」の許しを得なければならない上に、損失の生じた場合の責任追及が怖いためだ。いっぽう、中国投資公社(CIC)は、モールガンスタンレーに50億ドルを投資し、シンガポールのテーマセックは、メリルリンチの持分を買い入れた。「100年に1度あるかないかのチャンスを逃している」というある金融専門家の嘆きが、胸に刺さる。

◆グローバルIBの持分を買いつけることは、それこそウォール街の実力者たちのパートナーとなることだ。先進的な金融手法の学習はもとより、世界の金融界での発言権も確保できる。大統領職引継ぎ委員会の周辺では近いうちに、中東資本の韓国への投資が実現されるだろうという予測が出ている。外資誘致に劣らぬぐらい重要なことは、国内資本の海外への進出だ。国内にも投資先を見つけられていない金が多い。通貨危機当時、実力ある企業を外国資本に安価で譲り渡した苦しみを経験して、金の威力は痛いほど知っている。今こそ、その時に失った金を取り戻す時期ではないか。

朴元在(バク・ウォンジェ)論説委員parkwj@donga.com