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三星裏資金疑惑 李会長の執務室—役員の自宅への同時多発的な捜索

三星裏資金疑惑 李会長の執務室—役員の自宅への同時多発的な捜索

Posted January. 15, 2008 06:37,   

三星(サムスン)グループの裏資金疑惑を捜査している趙俊雄(チョ・ジュンウン)特別検察官(特検)チームは、発足から4日目の14日、李健熙(イ・ゴンヒ)三星グループ会長の執務室であるスンジウォンや構造調整本部・戦略企画室長の李鶴洙(イ・ハクス)副会長の自宅など、8ヶ所への家宅捜索を行った。

法曹界では特検に先立って、検察が昨年から進めてきた借名疑惑口座の追跡結果や特検の追加家宅捜索の成果を受け、特検捜査チームの成否が分かれるものと見ている。

▲李会長の執務室、スンジウォンへの初の家宅捜索〓特検は、李会長の自宅や三星本館執務室に代わって、ソウル龍山区梨泰院洞(ヨンサング・イテウォンドン)のスンジウォンを、最初の家宅捜索の対象と選んだ。

03〜04年、検察の大統領選挙資金捜査過程でも外されたスンジウォン内部が、捜査機関の家宅捜索の対象となったのは、今回がはじめてだ。

その背景には、金勇𨩱(キム・ヨンチョル)弁護士が記者会見で、スンジウォンの重要性を強調したことを、特検が考慮したものと見られる。金弁護士は、李会長がスンジウォンで、会社内外の重要人物と会って、重要事項への決定を下すと主張した。これは李会長を相手に、裏資金疑惑を解明する直接的な証拠を確保するという、特検捜査チームの意思を伺えるくだりだ。

特検は、検察の口座追跡の過程で一部確保した資料をもとに、借名疑惑口座に入金された金と李会長との関連性を解明するのに、捜査の焦点を当てるものと見られる。

特別捜査本部出身のある弁護士は、「特検は(借名疑惑口座に入金された金が)会社の公金か、それとも、グループオーナーの個人的な金かを確認してみる必要があっただろう」と話した。

▲資金管理役員の住居地を全て含む〓特検チームが、最初の家宅捜索の対象に、三星グループの役員や財務担当の役員・従業員の住居地を幅広くいれていることも注目を集めている。

家宅捜索の成果が相対的に低いところよりは、少しでも犯罪の手がかりが残っているところに対して、特検が「選択的に」家宅捜索を行ったものと解釈できる。金勇𨩱弁護士が昨年10月、三星裏資金疑惑を暴露した後、三星グループサイドではいかなる形であれ、証拠隠滅を行った可能性が高いとみているためだ。

また、三星グループ財務チーム長を務めた李鶴洙副会長や金仁宙(キム・インジュ)社長、崔匡海(チェ・グァンへ)副社長のほか、戦略支援チーム傘下の財務担当のチェ部長や金部長が、田溶鞖(チョン・ヨンべ)常務と共に家宅捜索の対象に含まれたのも目を引く。

田常務は、三星グループの資金を担当した故朴載仲(パク・ジェジュン)専務の後をついで、金弁護士が三星グループ構造調整本部の役員として在職した当時、金弁護士の借名口座を直接管理してきたことが分かっている人物だ。また、チェ部長や金部長は現在、三星グループの資金を担当している実務責任者だ。

三星グループの資金を管理する役員や従業員が捜査のターゲットになったのは、検察が裏資金造成や、ロビー疑惑の解明のための些細な手がかりでも見つけるためと解釈される。

▲「スクリーンレベルの家宅捜索の可能性」〓李会長の執務室を含めた三星グループの役員や従業員の住居地への家宅捜索を行ったのは、とりあえず、三星特検チームの捜査意思を示す象徴的な措置と見られる。

昨年11月30日、検察が三星系列会社のうち三星証券だけを、「ターゲット捜査」式に家宅捜索した結果、150あまりの借名疑惑口座を見つける成果をあげた。

それ以来、法曹界では特検がいつ、どこを追加で家宅捜索するかが、特検の今後の捜査方向を占えるシグナルだと思ってきた。

しかし、家宅捜索の成果への予断はまだ許されないという指摘も多い。

とりあえず、特検チームの尹晶石(ユン・ジョンソク)特検補は家宅捜索直後、「成果を話すのは早く、詳しく分析するつもりだ」と述べたが、在京地検の中堅幹部は、「今回は犯罪の手がかりが見つかったために家宅捜索したわけではなく、通常の『スクリーン』レベルの家宅捜索のようだ」と話した。今後、押収物の分析過程で、特検が追加の証拠物を確保したかどうかが明らかになるもようだ。



needjung@donga.com dnsp@donga.com