6日、江華島(カンファド)で発生した、軍の銃および実弾、手りゅう弾が強奪された事件で、最高レベルの警戒態勢が発令された。車に乗って近づいた犯人は、哨兵勤務を終えて帰隊途中の海兵隊兵士2人を奇襲攻撃し、一人の生命を奪った。軍と警察は、ソウル郊外で捜索と検問を実施した。大統領選挙をわずか約10日後に控えた時期であることから、国民は一層不安だ。
万一、銃強奪事件が特定大統領選候補をねらった不純勢力または社会不安をねらった北朝鮮の仕業と明らかになれば一大事だ。ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)候補は7日、不特定多数を対象とする街頭遊説を中止するほど敏感な反応を示した。他の候補たちも、警護を大幅に強化したという。李候補と李会昌(イ・フェチャン)候補は、すでに卵を投げつけられたことがある。
犯人は、哨兵の帰隊時間と経路を事前に調べ、犯行を実行したようだ。CCTVに映ったナンバープレートは盗んだものと見え、全焼で発見された容疑車両にはナンバープレートがなかった。用意周到に第2の犯行のために銃を奪ったことは明らかだ。
激変する年末の大統領選政局で、テロのような惨事を防ぐためには、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の強い意志が何よりも重要だ。任期末の大統領にとって、国政の安定的管理ほど重要なことはない。大統領選挙の公正な管理と候補たちに対する隙のない警護、徹底した国家安保および治安秩序維持に万全を期することで、大統領選レースの不安要因をとり除くことこそ、離任する大統領が一番にすべきことである。
今回の事件でただちに全軍主要指揮官会議が開かれたが、軍に任せるだけではならない。大統領が非常閣議でも招集し、関連省庁と担当者たちの警戒心が緩まないようにしなければならない。ただでさえ、選挙シーズンには政府と社会の綱紀が緩み、各種の事件・事故が多く起こる。大統領府が目を見開いて取り締まらなければならない。






