警察庁は、ソウル西大門区錧芹洞(ソデムング・ミグンドン)の本館2階の角にある記者室を閉鎖するために、1日、電話とインターネット網を、2日に暖房と電気を、4日午前には記者室前の廊下の電力線さえ中断させた。4日午後5時半にそこに行ってみた。警察庁舍の他の事務室と外界はいちめん明るかったが、記者室にはいくつかろうそくの灯だけが揺れていた。追放を拒否する記者たちは、このろうそくの下で記事を書いていた。室内には冷えが感じられた。記者たちは当番を決めて徹夜で記者室を守っているという。
◆この記者室も、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が主導した、いわゆる「取材支援システム先進化」の現場だ。いわゆる「参加型政府」が国民参加を妨げ、「民主化勢力」が反民主に踏み出したように、「取材支援先進化」は「取材封鎖」の虚名であり、仮面だ。盧政権はこのような仮面をかぶったまま取材の妨害によって国民の知る権利を踏みにじっている。政府が記者の取材アプローチを阻止し、迅速かつ正確な報道ができないようにすることは、軍事独裁時代の報道統制より、さらにずるいマスコミ弾圧策だ。
◆警察庁の記者がろうそくとコンピュータの充電器に頼って記事を書いていたその時間に、公報官を含む警察幹部13人は4泊5日の日程で日本へ行った。日本の警察署の記者室運営の実態を視察するという理由で国民の税金を両替して旅立った外遊だった。旅行会社の日程表によれば、初日を除いて温泉を含む観光だ。このために警察官1人当り96万ウォンずつ、計1250万ウォンの予算が執行された。8人は個人費用を加えて夫人も同伴した。
◆日本の東京にある韓国大使館には、警察庁が派遣した「外事協力官」という肩書きの警察官が常在している。階級は警務官だ。彼が少し調べれば、日本の警察署の記者室運営の実態ぐらいは詳細に把握できるだろう。ソウルから警察幹部13人が押しかけ、国民の税金を使って騒ぐ理由はまったくない。ひょっとすると、韓国の警察庁には、日本の温泉の泉質のほうが興味深いのではないか。
許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com






