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在韓米軍戦力の転用 安保空白なき「同盟の現代化」初の試金石

在韓米軍戦力の転用 安保空白なき「同盟の現代化」初の試金石

Posted March. 06, 2026 08:05,   

Updated March. 06, 2026 08:05


米国とイランの中東戦争が続く中、韓米両国は在韓米軍戦力の一部を中東に転用する問題を巡り協議している。韓国政府は5日、「在韓米軍の戦力運用について言及するのは適切でない」としながらも「韓米が緊密に意思疎通している」と明らかにした。中東へ移動する可能性のある戦力としては、戦術地対地ミサイル「ATACMS」やパトリオット(PAC—3)、THAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)などの防空戦力がまず取り沙汰されている。

韓米間の戦力転用協議は、今回の戦争が長期化する可能性に備えるもので、当面は地上攻撃用ミサイルや防空迎撃戦力の緊急需要に関するものだとされている。現在はイランに対する大規模空爆と、イランの反撃に対応する防空網作戦が続いており、攻撃・迎撃装備の不足や弾薬の枯渇が懸念されるためだ。ウクライナ戦争の際にも、米国は韓国から砲弾を迂回支援で受けるなど、ウクライナ軍の弾薬不足を補うのに苦慮した。

問題は、時間が経つにつれ戦争が拡大の様相を見せ、長期戦に向かう気配を強めている点だ。米国はクルド人反政府勢力を前面に立て、事実上の「代理地上戦」に踏み出した。イランも、爆死した最高指導者ハメネイ師に代わり、その次男で強硬派のモジタバ師を後継に内定し、抗戦の意思を固めている。始めるのは容易でも終わらせるのは難しいという戦争の性格上、米国が泥沼にはまり込めば、在韓米軍戦力の搬出も弾薬から始まり装備、兵力へと拡大する可能性がある。

在韓米軍戦力の転用が現実となれば、北朝鮮に対する備えの弱体化を招くことは避けられず、北朝鮮の誤った判断を招く恐れもある。そのさなか、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は新型駆逐艦の戦略巡航ミサイル試験発射を視察した。ウクライナ戦争を政権存続の絶好の機会として利用してきた正恩氏だ。中東戦争が北朝鮮のさらなる冒険主義を助長する可能性も排除できない。

これまで韓米は、在韓米軍戦力が一時的に移動する場合でも代替戦力を投入し、連合防衛態勢に支障が生じないようにするという原則を強調してきた。対北朝鮮戦力に空白が生じないよう、補完策を徹底的に講じなければならない。とりわけ今回の議論は、両国が昨年合意した「同盟の現代化」以降初めて行われるものであり、今後の在韓米軍の戦略的柔軟性の前例となり得る。これまで以上に隙のない調整が求められる。