昨日公開された韓米自由貿易協定(FTA)の協定文は1400ページの膨大な規模だ。一部新しい内容が盛り込まれてはいるものの、大部分すでに知られた内容だ。米国が主に発動する反ダンピング関税に対する紛争解決の手続きが協定に盛り込まれず、紛争が発生する場合、世界貿易機関(WTO)の手続きに従うというのは残念に思う。「同商品に対する緊急輸入制限措置(セーフガード)は1回しか発動できない」という条項も新たに確認された。これも工業製品の輸入の多い米国がよく活用するものだ。しかし、我が国は30個の農産物の敏感品目に対し適用例外を設けてあるため、再発動の禁止はむしろ韓国に有利だ。
韓米両国の利害が事案によって異なるが、両国間に「利益のバランス」が取れているというのが多くの専門家らの評価だ。韓米FTAの反対者らによる「屈辱交渉」主張に根拠がないことが確認されたのだ。反対者らが交渉の妥結直後に「不利なことは隠し、有利なことだけを公開した」とした宣伝扇動も立つ瀬を失った。今月末に正式な署名を控えて発表された協定の前文で陰謀説、裏での合意説もこれ以上関心を引くことができなくなった。
金槿泰(キム・グンテ)、千正培(チョン・ジョンベ)議員は「韓米FTAは第2の乙巳勒約だ」と寝言のようなことを言いながら、国会議事堂で反対のための断食に踏み切った。一部農村出身の議員らも農業と農村問題に代案は打ち出さずに市場開放というと一方的に反対する。世界の情勢と時代の流れがあまり読み取れない人ではないか。今は消耗的な反対に集中するのではなく、国内の産業体系をFTAに合わせて再編し、開放時代に備えることに力を合わせる時だ。
労働および環境に対する米国の基準が新たに設定されることにより、韓米FTAでも関連分野の追加交渉が行われる可能性がある。双方の交渉チームが信頼のもとに利益のバランスを模索すれば、解決できない問題はないだろう。
残された重要な課題は両国国会の批准同意だ。協定は両国が批准および関連法制度の再編など「国内の手続きが終わったことを知らせる日」から60日後に発効する。現在、国内の政治状況が混迷しているものの、次の政府や次の国会に延ばす理由はない。毎度国民を失望させた政界が拍手を浴びる久々の機会だ。





