2000年、米大統領選挙でブッシュ大統領に曖昧に敗れたアル・ゴア元副統領が自分が製作し解説者に出演したドキュメンタリー映画『不都合な真実』のお陰で人気が再び跳ね上がっている。地球温暖化の危険を衝撃的ながらも機知に富んだ言葉で警告した同映画で、ゴア元副統領は今年アカデミー賞(ドキュメンタリー部門)を受賞した。映画の終わりのところでゴア元副大統領は「炭素中立的」な生活方式を提案している。白熱灯よりは蛍光灯を使用し、洗濯は乾燥器の代わりに日差しに乾かし、自動車はハイブリッド・カーに乗ろうというものだ。
◆地球温暖化について1000回以上の講演を行ったというゴア元副統領には「言葉と行動が違う」偽善者だという主張もある。保守団体であるテネシー政策研究センターは、テネシー州のナシュビルにあるゴア元副統領自宅の昨年の月平均の電気料金が1359ドル(128万ウォン)であることを最近明らかにした。これは米国の世帯当りの平均の電気消費量の20倍だ。「在宅勤務のため電気消費量が多い」と釈明しているゴア元副統領の説明はなんとなく苦しく聞こえる。妻と二人きりで住むゴア元副大統領の家は建坪だけで280坪余りに部屋が20、トイレが8つもある。
◆映画『不都合な真実』についても、科学者たちの批判が続いている。内容があまりにも誇張されているというのだ。ゴア元副大統領側は「いつまで」と時期を特定しないまま海水面が約6m上昇し、ニューヨークとフロリダの一部が水に浸ると予測したが、先月、国連気候変化に関する政府間協議体(IPCC)は「21世紀末までに海水面は、最大58cm上昇する」という異なる見通しを出した。
◆ゴア元副大統領は名望ある家の出身だが、政治的には進歩的な民主党の系譜を引き継ぐ人物だ。ジョン・ケネディ元大統領、ジョン・ケリー上院議員、また、「アルマーニを着る左派」と呼ばれる最初の女性下院議長のナンシー・フェロー女史も同じケースだ。ゴア元副大統領はテネシー州上院議員である父親と成功した弁護士である母親の間で生まれ、ハーバード大学を卒業した。環境と情報高速道路を問題化し政治的に成功した。しかし、世の中に向けては「洗濯物を日差しに乾かそう」と言いながら本人は電気を節約しなかった。そのような左派の大物は、韓国にも多くいるが。
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