Go to contents

米国上院、「牛肉輸入再開」で超強硬姿勢を表明

米国上院、「牛肉輸入再開」で超強硬姿勢を表明

Posted January. 19, 2007 03:01,   

米国産牛肉に骨が混入していた問題で始まった韓米間の貿易摩擦が、感情戦の域を超え、両国での国内政治カードへと変質しながら、泥沼化している。マックス・ボーカス上院財務委員長をはじめとする米上院議員11人は17日、「韓米牛肉貿易の正常化なしには、韓米自由貿易協定(FTA)への支持はあり得ない」という超強硬姿勢を明らかにした。

韓米両国は、18日までに「骨の小片が混入していない牛肉の輸入に関する細部規定を追加でまとめる」とした了解条項すら履行していない上、これといった突破口も見つけられずにいる。

ワシントンとソウルの交渉専門家らは、「政府間交渉を通じて解決する余地が狭められただけに、行政よりは政治の論理で解決を目指す必要があり、特に政治指導者は、当面の批判を甘受してでも問題解決に出なければならない」と指摘した。

▲米上院の超強硬姿勢〓李泰植(イ・テシク)駐米韓国大使は17日、米上院の招待を受けて議会を訪問し、牛肉の生産地であるネブラスカ、ケンタッキー、コロラド、モンタナ州の連邦上院議員11人とひざを交えた。議員らは、牛肉貿易の「正常化」を求めた。

2003年12月に表面化した狂牛病騒ぎ以前の状況、つまり、Tボーンステーキのような骨付き牛肉も輸入していた「以前の状態」に戻すことを要求したのだ。韓米FTA協定批准案を手がける上院財務委員長のボーカス議員は、「米国産牛肉は安全だ。米国の畜産農家にこれ以上言い訳を続けるのは不可能。骨の混入や、牛の年齢とは関係なく輸入を再開しなければならない。そうでなければFTAは支持できない」と断言した。AFP通信は、同発言について「11人の最後通牒」と表現した。

▲ワシントンの空気〓ワシントンのこのような強硬な空気は、以前から漂っていた。米畜産農家協会(NCBA)は「韓国に食品衛生の原則を曲げろだの、食品安全基準を見直せだのという要求をするのではない。国際貿易上、了解されている範囲で認めよ」という嘆願めいた声明を発表した。バイラン・ドーガン上院議員は非公開の席で、「現代(ヒョンデ)自動車の輸入量である70万台の安定性を全数調べてから、1台にでも問題があれば、全車を返送すべきだ」とも話している。激情している米議会の空気を反映した発言だった。

あるワシントンの消息筋は、韓国の主張はシェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に出てくる「無理な文句解釈」と同じだとほのめかす。金貸しのシャイロックは、借金を返せなかった主人公の肉を切り取ることにするが、「肉は切り取っても良いが、血や髪の毛など他の物は何一つ切り取ってはいけない」とする契約書の条項のため、諦めざるを得なくなる。

つまり、「骨の付いていない牛肉とは、骨を取り去った(boneless)という意味であるので、骨の小片が『一欠けらもない(bone free)』という意味だと無理やり解釈して、国際慣行に反するような行動を取ることはするな」と暗黙裡に促しているのだ。

韓国の政界は、昨年末と今年初頭、数回にわたって「米国の食肉処理場の衛生状態を目で確かめたい」という旨を米農務省に伝えた。農務省は「助力する意思がない」と断ったといううわさも聞こえてくる。

米政府はこのような雰囲気のためか、今年初頭に開く予定だった「韓米牛肉検疫に対する技術協議」に出席しなかった。昨年、両国が「30ヵ月未満の骨抜き牛肉に限って輸入を再開する」と合意した当時、「骨抜き」という用語の定義と、全数調査もしくはサンプル検査の実施如何、危険物質規定をはじめとする細部手続きについては、決定を見送っていた。

韓国は昨年末、3回にわたって9トン分の牛肉を輸入したものの、レントゲン検査で骨が含まれているかどうかを調べ、2回ともに全量返送した。3回目の輸入の際には、レントゲン検査で骨が確認されないと、梱包を解いて目で確かめた結果、爪の大きさくらいの骨の小片を発見し、返送した。

韓国とともに米牛肉の最大輸入国である日本は、「20ヵ月未満の骨付き牛肉」を対象に輸入を再開している。

▲政治を通じた解決への注文も〓韓国政府は、畜産の主管部署である農林部と韓米貿易交渉の主管部署である外交通商部、財政経済部の間で見解が分かれている。確かなのは、韓国政府の主管部署レベルで交渉を打開するには問題が大きくなりすぎたということだ。

米畜産業界の関係者は、「農務省から韓国政府が(検疫の細部手続きについて)実務者の判断に任しているといって責任逃れをしているという話を聞いた」として、交渉妥結の可能性は低いと見ている。ワシントンでも「結局、行政(官僚)よりは、政治(政治指導者)の力を借りて解決しなければならない問題」という指摘が相次いでいる。

しかし、韓国政界では、「国際慣行に適う理性的な交渉」を口にする政治家は見当たらない。その背景には反米感情が渦巻いている上、「感染の恐れがあるのに、輸入しようというのか」という反論まであるためだ。一方、農村地域を地元とする議員らを中心に「絶対反対」という声が勢いを増している。

匿名を希望したある消息筋は、「政治家にとって『国際慣行に従うべきだ』という意見を表明するのは、当面は票を失うことになるだろうが、韓国国民が理性を取り戻し、ちゃんと損得を計算すれば、国際交渉の合理性は十分に理解できると思う」と述べた。



srkim@donga.com