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保険業界、民営医療保険の保障縮小方針に反発

保険業界、民営医療保険の保障縮小方針に反発

Posted November. 24, 2006 06:50,   

23日午後1時30分、政府果川(クァチョン)庁舎前の運動場。1万人あまりの保険業界の関係者が集まった。保険営業員の李インスク(43)氏は、運動場の片方に新聞紙を敷いて座った。手には「民営医保(民営医療保険)改悪反対」というピケットを持っていた。

李氏は、「政府が民間保険会社が販売している民営医保の保障範囲を縮小しようとしているが、そうなれば、商品を売りにくくなるだけでなく、消費者も被害にあいかねない」と話した。民営医保がどう変わるために、ここに集まったのだろうか。

▲民営医療保険とは〓誰も加入が義務付けられている国民健康保険(健保)は、健康保険法が定めた疾病の治療費および医療装備の利用料を支払う。大体、治療費と利用料が中低価の項目を保証する。国民健康保険公団は全体費用の60%ぐらいを支援し、残りは患者本人が負担するようにしている。

保険会社が販売する民営医療保険は、このような本人負担金や磁器共鳴映像(MRI)撮影装置など、高価の治療施設の利用料を保証するための商品だ。

ところで、保健福祉部(福祉部)と与党ヨルリン・ウリ党は最近、民営医保の保証範囲から本人の負担金を除外するようにした。民営医保は高価の治療費のみを保証するようにしたものだ。

▲3つの争点〓政府と保険業界の意見が厳しく対立している部分は、民営医保の保証範囲だ。福祉部は民営医保に加入した人々を診療する病院が、保険金をもらうため、過剰診療をしていると見ている。このため、健康保険の赤字幅が大きくなったということだ。

ソウル大学の李ジンソク(医療管理学)教授は、年初、あるセミナーで、「民営医保の加入者の医療費の支出額が非加入者に比べて、大きく高いことが分かった」と明らかにした。これに対して、損害保険業界など保険業界は、「民営医保の加入者が故意で過剰診療を請求したという証拠はない」とし、「むしろ、よく診療をしてもらうことで、疾病を早期に発見して、治療費を低減できる効果がある」と主張した。

また政府は、現在、民営医保の商品が多すぎて管理にくいと指摘した。商品を10の類型に単純化して、複雑な商品構造による消費者の被害を減らさなければならないと見ている。反面、保険業界は消費者が自分に合う商品を選ぶ権利を侵害するものだとして、反発の姿勢を強めている。

民営医保商品に対する監督権限を、今のように金融監督委員会に置くか、福祉部に委譲するかどうかをめぐる議論も続いている。

▲消費者に与える影響は〓民営医保の保障範囲が縮小すれば、保険加入者が得られる特典も大きく減る。最近、過労で救急室の世話になった朴某(45、会社員)氏のケースを見てみよう。病院側が朴氏に請求した金額は、初診料、注射料、検査料、映像診断費など計20万5834ウォン。保険に入った朴氏はお金を一銭も払わなかった。しかし、来年以後、民営医保の保証範囲が縮小すれば、朴氏は本人負担金として8万6910ウォンを払わなければならない。

民営医保の保障範囲の縮小で健保の財政がよくなれば、中長期的に健保公団が今より治療費をさらに多く支払うようになる可能性もある。非加入者の特典が大きくなるわけだ。

現在の体制が維持されれば、民営医保に加入した人々は安価で医療サービスを受け続けることができる。反面、健保の財政悪化で非加入者に対するサービスは横ばいを辿らざるをえない。

慶煕(キョンヒ)大学のチョン・ギテク(医療経営学)教授は、「制度を急に変えると、既存の加入者が従来より少ない保障を受けることになる。民営医保を委縮させるよりは、医療の効率性を高めるため、公保険と私保険を連携する必要がある」と述べた。



legman@donga.com