全孝淑(チョン・ヒョスク)憲法裁判所(憲法裁)所長候補は、国会任命同意案が処理されなかった8日から18日現在までの10日間、沈黙を守っている。
野党ハンナラ党と法曹界の一部では、「憲法裁の政治的中立を保障するために、全候補が自ら辞退することが最善の解決策だ」という主張が出ているが、一向に反応がない。
大統領府側は、「19日に本会議があるので見守ろう」という態度だ。
与党ヨルリン・ウリ党の関係者たちは、「大統領府と全候補の間で、辞退に関するいかなる話もなかったようだ。全候補が大統領府に辞退の用意を明らかにしたり、大統領府が全候補に辞退を勧めたりしたという話を聞いていない」と述べた。
現在全候補は、裁判官の身分ではないため、憲法裁に出勤しない。与党周辺の話と情況を総合すると、全候補はただちに辞退する意向はなさそうだ。
李炳浣(イ・ビョンワン)大統領秘書室長が13日、指名過程で手続き上の問題があったことに遺憾の意を表明したことが進退問題を整理する1次的な契機になったが、全候補はその時も何の反応も見せなかった。
ウリ党の禹潤根(ウ・ユングン)議員は、「全候補としては20年以上法官を務めた名誉が失墜した面もあり、かなり当惑しているだろう。大統領府も全候補も、与野党が合意して処理するのを待つしかないのではないか」と述べた。
全候補個人の立場で見れば、「不名誉な辞退」という選択は容易ではないという話だ。
与党のある関係者は、「全候補が、今回の事態の一義的な責任が大統領府にあると考えるかもしれない」と述べた。全候補の沈黙は、任期6年を保証してほしいと要求したわけでもなく、決定的な道徳的傷や欠陥があったわけでもないため、自ら辞退することはできず、大統領府が責任をとって事態を収拾すべきだという無言のメッセージを伝えているのではないか、という解釈だ。
しかし、時間が経つにつれて、全候補の立場は苦しくなっている。全候補の自主辞退が避けられないというマスコミ報道が続き、世論も悪化している。
自主辞退論の核心は、全候補が違憲問題と資質論議の中心に立っていることで、すでに憲法裁所長の資格を喪失したということだ。
大統領府は、憲法裁の裁判官の中から憲法裁所長を任命するよう定めた憲法の明文規定にもかかわらず、全候補に裁判官を辞任させた後、憲法裁所長候補に指名し、国会に任命同意案処理を要請した。全候補は、国会人事聴聞会で、全海𨩱(チョン・ヘチョル)大統領民政首席秘書官の電話を受け、6年任期の憲法裁所長になるために憲法裁の裁判官を辞任したという事実を明らかにした。指名の手続きが違憲だという野党議員の指摘に、全候補は「問題ない」という趣旨の答弁をした。
しかし違憲論議が激しくなるや、大統領府は一足遅れて、全候補に対する任命同意案処理の手続きに欠陥があったことを認めた。問題は、この手続きの欠陥が、憲法違反に直結するという点だ。これまで大統領府と足並みをそろえてきた全候補も、違憲論議に直面することになった。これは、他の公職候補ならいざ知らず、憲法裁所長には致命的な欠陥というのが、専門家たちの指摘だ。
李石淵(イ・ソギョン)弁護士は、「憲法に反する任命手続きを政治的妥協で解決したとしても、憲法裁は6年の所長任期の間、政治的中立性の問題で揺れるだろう」とし、「任命同意案が国会を通過しても、一般国民が公正な裁判を受ける権利を主張して、裁判所忌避申請をする事態が起こる恐れもある」と指摘した。
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