光復節(クァンボクチョル・日本植民地支配からの独立記念日)にあわせた赦免・復権対象者の輪郭が浮かび上がったことを受け、大統領府と与党ヨルリン・ウリ党の間で微妙な緊張ムードが流れている。ウリ党の金槿泰(キム・グンテ)議長が「経済立て直し、親企業政策」の一環として公開で推進した「財閥トップら企業人の赦免」が、今回は排除されるだろうという伝聞がウリ党を刺激した。
ウリ党の関係者らは、「与党はマスコミに赦免対象者のリストが報じられのを見て内容を知った。しかも、与党が強調してきた経済人の赦免を排除するとは、手続きも内容も大統領府が党を無視するにも程がある」と興奮した。
政権側のある関係者は9日、記者との電話インタビューで、「今回の政治家に対する赦免の基準と対象は、大統領府が決めて法務部に伝えた」とし、「ウリ党は議論の過程で除外された」と明かした。赦免の論議過程を見れば、ウリ党が興奮するのも当たり前だという説明だ。
金議長は9日、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)の党本部で開かれた非常対策委員会で、「経済人の赦免を大統領府に申し立てた」と述べた。それが拒否される現実に対する残念な思いの現れだった。
金議長のある側近は、「赦免権は大統領の権限であるため、与党としては赦免に対する立場と要求事項を強調する以外に手立てがない。しかし、大統領府も与党の要請を考慮してもいいのではないか」と不満をぶつけた。
今回の「経済人赦免排除」に対して、ウリ党は、5・31地方選挙と7・26国会議員再・補欠選挙の惨敗への反省から与党が取り組んでいる「親経済路線」が「待った」をかけられたことに重視している。
与党の一部では、大統領府が「アイデンティティ」にのみ執着して実用的な考え方にそっぽを向けているという指摘と共に、「このまま行けば、大統領だけが孤立する」という反発気流も感知される。
このため、「文在寅(ムン・ジェイン)前大統領民情首席秘書官の法務部長官起用説」で高まり、ようやく解消された与党と大統領府間の葛藤が、今度の赦免復権問題で再燃しかねないという観測も出ている。
大統領府は、赦免問題について一切口を開いていない。しかし盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が、6日にあったウリ党指導部との昼食懇談会で、金議長が財界のトップら企業人の赦免を推進する考えを発表した事実を指摘し、「赦免は大統領固有の権限なのに、相談もなく言えるのか」と責めた点で、ウリ党の不満を受け入れる余地はないものと見られる。
ウリ党は安熙正(アン・ヒジョン)氏ら大統領側近の赦免復権に対しては、「与党は公式的であれ非公式的であれ、政治家の赦免は申し立てたことがない」(禹相虎スポークスマン)としている。しかし、これはこれまで党内の386世代の議員が先頭に立って、安氏と申渓輪(シン・ゲリュン)議員らに対する善処を求めてきた点で、野党の批判を意識した「責任回避」に過ぎないという指摘もある。
ハンナラ党、民主党、民主労動党の野党は、同日一斉に安氏ら大統領側近を赦免復権させるという大統領府の方針に対して、「政権の道徳性の喪失を示すものだ」と強く批判した。
jin0619@donga.com






