
「巨艦」米国が沈没した。
野球の宗主国であると同時に、最も有力な優勝候補だった米国代表チーム。30名のエントリー全員が大リーグの特急スターで構成された米国。バック・マルチネス監督が、「8連勝で優勝する」と大言壮語した米国が倒れてしまった。優勝どころか、予選脱落の危機にさらされている。
9日、米アリゾナ州フェニックスのチェース・フィールドで行われた米国とカナダのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選B組の2番目の試合。米国は、マイナー・リーガーたちが主軸のカナダ代表チームに6ー8で破れてしまった。
試合が始まる前までは、米国の圧勝が予想されていた。米国選抜は、昨年ナショナルリーグ多勝王(22勝)であるドントレル・ウィリス(フロリダ)投手。
しかし前日、最弱体と言われる南アフリカ共和国代表チームに8回まで7ー8で負けていて、9回に辛うじて11ー7で逆転勝ちしたカナダチームは、わずか一日の間に、完全に様変わりしたチームになっていた。
二人の「アダム」が、この異変の主人公だった。9番打者アダム・スターン(ボストン)選手は5回、グラウンド本塁打をはじめ4打数3安打4打点で攻撃を導いた。トリプルA出身の選抜投手アダム・ローウェン投手も、最強の米国打線をむかえ、3回と3分の2イニング無失点で善戦した。
これで、A組1位の韓国が本選で相手するB組は、予想のつかない混線に陥った。
カナダが10日の試合でメキシコに勝てば、カナダが1位、米国が2位で本選にあがる。その場合、13日の韓国の初相手はカナダになる。しかし、カナダがメキシコに負ければ、問題は複雑になる。その場合、米国、カナダ、メキシコが2勝1敗で同率となる。
同率である場合、勝者勝→最少失点→最少自責→高打率→抽選で1、2位を選り分ける。カナダが2失点以下でメキシコに負ける場合、カナダとメキシコが本選に上がり、米国は予選脱落する可能性が高くなる。韓国としては最も有利なシナリオだ。
金寅植(キム・インシク)監督はこれに対し、「カナダと米国が上がってくれば、かえって困るかも知れない」と懸念を表わした。金監督は前日、「左利き打者が主力であるカナダよりは、メキシコを相手する方が楽だ」と言ったことがある。実際に、カナダは米国戦で9名ラインアップに凡そ8名の左利き打者を入れた。
一方、アジア1位でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本選にあがった韓国野球代表チームは9日、米アリゾナ州サプライズで行ったカンザスシティとの練習試合では4ー7で負けた。
韓国は、選抜で朴賛浩(パク・チャンホ、サンディエゴ)投手をはじめ、徐在応(ソ・ジェウン、LAドジャース)投手、金炳賢(キム・ビョンヒョン、コロラド)投手など、海外派投手たちを代る代る出場させ、その球威を点検した。安打数は9本ずつで同じだったが、打線凝集力ではカンザスシティーに負けた。
また、アジア2位で本選にあがった日本は、シアトルとの9日の練習試合で6ー5で勝利した。
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