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広報大使全盛時代

Posted December. 16, 2005 08:34,   

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李泰植(イ・テシク)駐米大使、康錦実(カン・グムシル)元法務部長官、歌手ピ(Rain)、サッカー選手の朴智晟(パク・チソン)の共通点は。

みな「現職大使(ambassador)」ということ。常駐公館長である李泰植大使は特命全権大使、康錦実元長官は女性人権大使、歌手ピは韓国観光広報大使、朴智晟選手は青少年委員会広報大使だ。政府機関はもちろん、自治体や各種の社会団体、企業までも、「広報大使マーケティング」に熱をあげており、「大使共和国」ともいうべきか。

▲韓国代表、大使〓大使は、常駐外交使節団の長として、国を代表し、外交交渉を行い、国民に対する保護・監督の任務を遂行する外交官の華。現在、常駐公館95ヵ所、国連など代表部3ヵ所に特命全権大使が派遣されている。

また、対外交渉など特定の業務を遂行するために必要だと認められる場合、外交通商部長官の職権で特命全権大使を除いた大使の職名を与えることもある。

大使でありながら外交官ではない場合もある。専門分野で認知度の高い民間人に大使職を与え、外交活動を支援する「対外職名大使」がそれ。康錦実元長官を含め、朴庚隺(パク・キョンソ)人権担当大使、鄭燦龍(チョン・チャンヨン)非政府組織(NGO)担当大使など10人が活動している。

▲一人が複数の大使職を務める場合も〓1990年代後半から、主に芸能人など有名人を対象にした「広報大使」がマーケティング手段の一つとして脚光を浴びた。健康、禁煙、観光をはじめ、政府政策広報、小児ガン、臓器移植、募金などのようなボランティア活動だけでなく、展示会、地域フェスティバルなどの行事広報、自動車メーカーの新車広報まで、広報大使は欠かせないものとして顔を出している。

あちこちから引っ張られるため、芸能人なら大使という肩書きを一つぐらい持っている。一部の人気芸能人は、複数の大使職を務めている場合もある。歌手BoAの場合、ソウル市広報大使、保健福祉部健康広報大使、ロサンゼルス(LA)広報大使を務めている。

▲一般人も「広報大使」〓芸能人でないと広報大使になれないわけでもない。全羅北道(チョンラブクト)は、バスやタクシーなど大衆交通機関の運転手4600人を、「走る全羅北道の広報大使」に委嘱した。ある自治体では、のど自慢大会で入賞すれば、区役所の広報大使に任命している。ロッテ・デパートなど企業では、顧客を対象に「広報大使コンテスト」を開催しており、各大学の広報アシスタントたちの肩書きも広報大使に格上げされた。

このように広報大使が人気を集めているのは、団体や機関の活動を広報し、参加を誘導する上で効果的だと考えられているためだ。有名人にとっても、ボランティア活動などでイメージ・アップを図ることができ、両方にとって得になる。

▲広報大使の裏側〓しかし、広報大使が乱発され、効果が半減するという指摘もある。委嘱書を受け、写真を撮ることが活動のすべてである例が少なく、映画には一回しか出演していない俳優に映画祭の広報大使を任せる皮肉なケースまである。

だからといって、この「大使インフレ」がもっぱら悪いとはいえない。韓国歴史に関する誤謬を是正しているサイバー上の外交使節団「バンク」がその代表。現在、1万5000人余りが活動しており、このうち活動実績が優秀な831人が「広報大使」として活動している。任命状もないが、韓国広報に限っては特命全権大使に負けず、立派な活躍をしている。



redfoot@donga.com