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[オピニオン]笑弁人

Posted November. 23, 2005 08:15,   

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政界が殺伐となる度にウィンストン・チャーチル元英国首相が思い出される。チャーチル氏は与野党が厳しく対立していたり政治的な苦境に立たされれば、ユーモアで状況を乗り切っていった。ある日、氏はこんなことを言ったことがある。「政治的才能とは、明日、来週、来月、来年にどんなことが起きるかを予感する能力のことを言う。合わせて、後日、どうして予言どおりにならなかったのかを説明できる能力も持っていなければならない」。聞いていた政治家と記者が爆笑したのは言うまでもない。

◆我が国の政治にはそうしたユーモアが足りない。誹謗に明け暮れて笑いが割り込む余地がない。各政党のスポークスマンは政治闘争の先鋒役を担ってきた。言うべきことと、言ってはいけないことの区分もなく、どうすれば相手をさらに怒らせることができるかと、厳しい言葉ばかり選んで使っているようだ。党の方針や政策を国民に知らせるといった本来の役目はさておいて、相手を攻撃する戦闘的なことだけで先頭に立ってきた。

◆その間、与野党のスポークスマンが吐き出した言葉を見てみよう。「あるマスコミで野党のスポークスマンの口を『薄気味悪い凶器』と表現したが、どうも正確なようだ」、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は辞表を書くと毎日のように広告する社員だ」、「連立政権をねだっている盧大統領は毎日このように広告する社員だ」「大連立政府をねだる盧大統領はクラブマナーにも及ばない政治をやっている」などなど。相手を「犬」や「豚」など動物に喩える論評も頻繁に登場する。声明や論評の文章が非常に荒く粗悪であるが、これらを子どもも真似てしまうのではないかと心配されるほどだ。

◆ハンナラ党の李季振(イ・ゲジン)新任スポークスマンが、「かつてのスポークスマン(韓国語では代弁人といい、デビョンインと発音)のようなスタイルは今後はやめて、笑う『笑』の字を使って笑弁人(韓国語発音=ソビョンイン)の時代を切り開いていこうかと思う」と述べた。「デビョン(大便と同音)」と「ソビョン(小便と同音)」の語感が面白い。しばらく前は与党ヨルリン・ウリ党のチョン・ビョンホン・スポークスマンも下品な言い方の政治はやめようと提案した。素敵な言葉、気の利いた表現で胸を打ちながらも、その中で相手の過ちを明確に指摘することこそ、真の意味での「寸鉄殺与」であり、「寸鉄殺野」である。まあ、言い方の酷さを言うと、最近大統領府(青瓦大)から出てくる言葉が与野党のスポークスマンより一枚上だ。では、「寸鉄殺青」のほうは、はたして野党の誰が行えばいいのだろうか。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 yongeon@donga.com