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[オピニオン]緑の記憶

Posted June. 07, 2005 06:23,   

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二年前、山と木々が青かったこの時期。私は10センチ余りのお腹を割って、中を切り出す手術を受けた。手術後、全身麻酔から目が覚めると、耐え難い痛みが覆ってきた。身体の全ての細胞が反乱を起こしているようだった。息をするのも苦しく、手術部位とチューブが差し込まれた鼻と腰が掘りえぐられるように痛かった。かすかな光、音、匂いさえ耐え難いほど、神経が敏感になり眠れなかった。鎮痛剤に頼って目を閉じようとすると、「金属とセラミックの小さな悪魔たち」が現われた痛みと戦う私をからかった。

◆痛みはさびた鉄のように赤い色を帯びてやってきた。その都度、私の中の生命力はその赤い破壊者に立ち向かって戦った。意識と無意識の間で私はやっきになって山と木々を思い浮かべ、そうすれば心の画面に緑色がいっぱいになりながら痛みが和らぎ、平和が戻ってきた。しかし、しばらくすると、赤い混沌は執拗に緑色の平和を消し続けて、その都度何とも言えない痛みが再びやってきた。こうした戦争がしばらく続いた。

◆緑色の止まる時間が長くなりながら徐々に身体が回復した。歩行器に頼って病院の庭へ降りた初日、木々の青い葉っぱがどれほど輝かしかったのか。反面、退院の道で再び会った街頭の四角い角と飛び交う色々は手術の傷ほど目に現実的な痛みを与えた。しかし、時間が立つにつれて敏感だった感覚は鈍くなった。今はよほどの混乱は何気なく受け入れられる「正常人」に復帰した。

◆しかし、病床で体験した緑の記憶だけは忘れられそうにない。手につかまるようにはっきりしていたが、目が覚めると無意識の中へ隠れてしまう夢のメッセージのように、記憶のディテールはもうかすかになろうとしている。しかし、その緑はメッセージは明確だ。人間の意識と観念よりさらに根源的なのは生命の力であり、その源は調和であるということ、だから調和を破壊するのは生命の破壊につながるという教えだ。厳しい試練が教えてくれた貴重なプレゼントだと思って、大事にしようと思っている。

康泓彬(カン・ホンビン)客員論説委員(ソウル市立大学教授・都市計画学)hbkang@uos.ac.kr