「親切で細やかな韓国人よ、幻想的なキムチよ、お待ちください、すぐに行きます!」
5人の音楽家たちの電子メールでは歓呼がにじみ出た。今年3月に孫基禎(ソン・ギジョン)への追慕アルバム「42.195グレートソン」を売り出し、韓国への愛を誇示したドイツの5人組みのジャズグループ「サルタチェロ」。彼らが6月19日午後7時半、世宗(セジョン)文化会館大劇場で、5回目の来韓公演になる「孫基禎に捧げる公演」を行う。
「サルタチェロ」は、2000年のセカンドアルバム「セカンド・フラッシュ」から「オンヘヤ」「旅人の悲しみ」など、韓国のメロディーを編曲演奏して、韓国とドイツのジャズファンから愛されてきた。
—どうして韓国のメロディーの魅力に、はまるようになったんですか?
「私たち5人はみんなシュトゥットガルトに住んでいます。ファーストアルバムは、主にラテンのメロディーを応用しましたが、ある日、韓国人のパーティーに招待されて珍しいメロディーと立派な食べ物の味に驚きました。その後、韓国に対するすべてのものを隅々まで探求してみることになったんです」(ピーター・シンドラ、キーボード、リーダー)
——韓国の音楽のどんな点が素敵だと思いますか。
「韓国の音楽には豊かな「スウィング(搖れ)」があって、即興性を発揮できるような空間があちらこちらにあります。このような点は、ジャズともよく似ています」(ピーター・レヘル、サキソフォン)
——韓国の音楽をジャズに取り入れるというのは、容易でない実験だったはずですが…。
「私が提案しました。音楽を聞いてみたメンバーたちが同意するまで、たった5秒しかかかりませんでした」(ピーター・シンドラ)
——マラソンランナー孫基禎の人生についてはどう知りましたか。
「時間あるごとにインターネットで韓国に関するすべてのものを検索してみて、ドイツのあるジャーナリストが、孫基禎について書いた文を読むようになったんです。ベルリン五輪当時の記録映画を捜してみました。悲しそうな顔をしたマラソンランナーが授賞台に立って、胸の日の丸をなんとか隠そうとする姿が心を動かしたんです。勤勉で楽観的な韓国人たちに、このような辛い歴史があるということが分かるようになったんです」(ピーター・シンドラ)
——5人ともに韓国の食べ物が大好きだと聞いたんですが。
「ベーシストのミニー・シュルツと私は特にキムチが大好きです。私たちはたまに韓国の食べ物の材料店に立ち寄ります。キムチを買うためではなく、キムチをつける材料を買うためです!他のチームメンバーたちはキムチをパンに載せて食べたりするが、私たちはキムチだけの純粋な味がとても好きです」(マルクス・パーラー、ドラム)
—特に好きな韓国の楽器や音楽家はいますか。
「私たちみんな奚琴(ヘグム)の魅力的な音色に感銘を受けたんです。協演した音楽家の中で奚琴演奏家の姜垠一(カン・ウンイル)氏は、特に息が合いました」(ウォルフガン・シンドロ、チェロ)
今度の公演で5人は新しいアルバムに入った「偉い孫基禎」「早く早く(Dynamic Korea)」などの創作曲と、「密陽(ミリャン)アリラン」「カンガンスレ」「オンヘヤ」などを演奏する。
劉潤鐘 gustav@donga.com