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[オピニオン]正義の独占

Posted March. 06, 2005 22:49,   

한국어

正義の辞書的な意味は「人として守るべき正しい道理」あるいは「道徳的で正しくて正当な行為」である。何だかはっきりしていないが、ほとんどの人が考える際、正しい振る舞いのことを言っているようだ。ところで、最近の韓国社会は、多くの人から見て、道徳的もしくは人間的に別に尊敬できない一部の人が、正義を独占しているのだから心配だ。彼らは自分の考え方のみが正しくて、自分が叫ぶ改革のみが国をより良い社会にすると過信している。

◆実際のところ、それぞれ違う価値観を持ち、自分の利益を極大化しようとする数多くの人が集まっている人間社会で、皆が同意する「正しさ」を見い出すのは容易ではない。国家内でもそうであるのに、自国の利益を優先する国で構成されている国際社会で、皆が同意する「正しさ」を探すのはさらに難しいだろう。独裁者カストロは、キューバの民族主義者と韓国社会の左翼には正義なのかも知れないが、貧しいキューバ人と自由を愛する人々には不義であるしかない。

◆韓国社会には、かつて逼迫を受けたという「業績」のみで、この社会の正義を独占しようとする人々がいる。彼らが北朝鮮の金日成(キム・イルソン)の主体思想を尊敬したと言えども、独裁政権の逼迫を受けたという理由で、この国の民主化に対して独占的な権利を主張しているならば、これは極めて深刻な問題と言わざるを得ない。民主化は闘争も重要だが、所得水準の上昇なしには不可能だ。この40年間、富の創出に向けて黙々と働いてきた人々も民主化の立役者である。

◆このほど、国家保安法廃止を含めて、いくつかの進歩的改革立法を絶対善として推し進めようとする人々の中に、独占的正義論者が相当数見かけられる。自由民主社会のために間違っていることを直すのは、ほとんどの人が正しいと考えるだろうが、正義を売り物にして他の人の沈黙を強要し、自分の目的ばかりを達成しようとするのは危険だ。問題は、不順な正義論者をどうやって選り分けるかだ。まず、自分のみが正しいと主張する独占的正義論者に注意しなければならない。

羅城麟(ナ・ソンリン)客員論説委員・漢陽大学教授(経済学)hwalin@hanyang.ac.kr