「『悪法も法なり』と言って、毒杯を飲んだというソクラテスのエピソードを遵法精神を強調するための事例として使うのは望ましくない」
憲法裁判所が7日、教育人的資源部(教育部)に対して教科書の修正を要請した内容の一部だ。
大統領弾劾審判の棄却決定、新行政首都建設の違憲決定などで注目を集めてきた憲法裁が、今度は小中高校の社会科教科書の憲法裁判に関連した間違いや不備点などを見つけ、教育部に修正を要請した。
憲法裁は昨年11月、憲法研究官によるタスクフォースチームを設置して1年近く、小中高校の社会科教科書15種30冊を検討した。憲法裁によると、これらの教科書に載せられた憲法と基本権、憲法裁判などに関する説明の中で、間違った部分が所々あり、特に高校の教科書には憲法裁判の機能に対する紹介が全くないという。次は憲法裁が指摘した主要内容。
▲小学校6年生の社会科教科書〓個人が望む職業に対する制限があってはならないという「職業選択の自由」が「勤労の自由」と間違えて記載されている。
また、裁判所の種類を説明するところで、憲法裁が家庭裁判所のような特殊裁判所の一種であるように間違った記述をしている。
「我が国には最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所がある。そして家庭問題を扱うための家庭裁判所のような特殊な裁判所が別途設けられており、法律や社会制度などが憲法に違反しているかどうかを判定する憲法裁判所もある」となっている。
憲法裁はこの部分を、「最高裁判所とその下に高等裁判所、地方裁判所、家庭問題を扱う家庭裁判所などがある。こうした一般の裁判所とは別途に憲法で保障している国民の基本権を国が侵害したかどうか、法律が憲法に反しているかどうかなどを判定する憲法裁判所がある」と直さなければならないと指摘した。
▲中学校の社会教科書〓ある教科書は「悪法も法なり」と言って毒杯を飲んで死んだソクラテスのエピソードを、遵法精神を強調するための事例として紹介している。
これに対して憲法裁は、「今日の憲法体系の下で『遵法』というのは『正当な法と法の執行』を前提にしているので(実質的法治主義)、この事例を遵法精神と結び付けるのは適切でない」と指摘した。
憲法裁はさらに、「かつて権威主義政権の時は、憲法を多くの法の中の一つとして認識し、『国民の基本権』も共同体のためなら譲歩しなければならない対象と扱った。このため、教育が権威主義政権を正当化する手段に転落し、遵法精神が間違えて記述され強調された」という説明もつけ加えた。
憲法裁はまた、ある教科書が「法秩序の厳しい国、シンガポールの例外のない法執行」という題目で紹介した事例についても、「適切な例ではない」と指摘した。
当該事例は、米国人の大学生がシンガポールで鞭打ち刑を言い渡されたことを受け、米大統領が赦免を要請したにも関わらず、その刑が執行されたという内容。憲法裁は、「鞭打ち刑は今日人間の尊厳性に反する刑罰とされているので、これを例に挙げたのは適切でない」と明らかにした。
▲高校の教科書〓「法と社会」の教科書には、憲法裁に対する紹介や憲法裁の構成と権限、憲法裁判の種類と手続きに対する紹介がない。特に弾劾審判、権限争議審判、政党解散審判に対しても全然言及されていない。
憲法裁は、「憲法裁判が活性化し、憲法が国民の基本権を守る生活規範として位置づけられたことを受け、生徒が憲法裁判所に対して正しく理解できるように『法と社会』の教科書に憲法裁に対して紹介するのが望ましい」と提案した。
jin0619@donga.com






