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[オピニオン]危機警報

Posted September. 09, 2004 21:54,   

「中に入って、じっとして、テレビとラジオに従いなさい(Go in,stay in,tune in)」。英国政府が先月、テロと自然災害に備えて家ごとに配った「危機対処法」と題したパンフレットの核心守則だ。詳しい内容を盛り込んだウェブサイトも設けられた。ところが、思いがけないことが起きた。トーマス・スコットという大学2年生が、政府サイトとそっくりのパロディー・サイトを作ったのだ。「ビルの外で爆弾が爆発した時は、2番目の爆発が起きる場合に備えて、室内でじっとしていなさい」と言う公式行動守則の次に、スコットが「最近の大半のテロリストは爆弾一つでは終わらないんですよ」と注釈を付けたのだ。

◆荒てた英政府はスコットに、「国民が当惑する恐れがあるから、サイトを閉鎖しろ」とeメールを送ったが、スコットはパロディーを見て面白がる人の方がもっと多いと言い返した。BBCインターネット版は、この「事件」は英国人の心の底にある恐怖と偏執病的な雰囲気を反映していると分析した。パロディー・サイトは笑わせるために作ったはずだが、英政府が有事の際の行動要領を簡単明瞭に整理して広報したのは意味がある。実際の危機の時は、常識と反対に動く人が少なくないためだ。煙が立ち込めば、それを避けて回り道をすると思うが、現実ではむしろその煙をかき分けて前に進もうとするのが一例だ。

◆米国は9・11テロが発生してから約半年後、テロ脅威を知らせる警報体制を作った。緑から白、黄、オレンジ、赤に危険度が高くなる。最初は市民たちが緊張したが、今はもう「オオカミ警報」ではないのかと、「警報疲労シンドローム」をみせている。先月1日、1段階上昇された「コード・オレンジ」は、民主党全党大会後に支持率を上げたケリー大統領候補を狙った政治的カードではないかと言う話も出ている。

◆韓国でも国家安全保障会議(NSC)が、「国家危機管理基本指針」を出した。関心(青)−注意(黄)−警戒(オレンジ)−深刻(赤)の段階別に、政府省庁と関係機関の対応策が盛り込まれている。安保、災難、核心基盤の3分野の30危機類型に対するマニュアルが出ているが、現在の状況がどの段階の危機状況に当たるのかに対する警鐘はない。危機を危機として把握できないなら、「危機管理」が何の役に立つのだろうか。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com