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[オピニオン]「シリアルキラー」

Posted July. 19, 2004 22:32,   

米連邦捜査局(FBI)行動科学研究チームのロバート・レスラー(Robert K. Ressler)が1975年、シリアルキラー(Serial Killer・連続殺人犯)という言葉を初めて作り出した。以前には、知り合いでない人を殺すという意味から、ストレンジャーキラー(Stranger Killer)という言葉を使った。しかし、レスラー氏は幾人かの連続殺人犯たちが知り合いも殺す事例を見つけてシリアルキラーという名を付けた。FBIは3件以上の殺人を犯し、普通1回に1人ずつ殺害し、事件と事件の間に冷却期間のある犯人をシリアルキラーと分類する。

◆世界のシリアルキラーの85%が米国で暴れ回っている。売春婦とホームレスが犠牲者である場合が多いので、通報されない犯罪はもっと多いものと推定される。シリアルキラーの80〜90%は20、30代の白人男性だ。1989年、電気椅子で生を終えたシリアルキラー、テッド・バンディは、自動車の上にボートを載せては女性たちを誘惑した。とても礼節正しくハンサムで、誰も彼がシリアルキラーとは想像もできなかった。彼は逮捕されるまで、少なくとも23人、多くは40人と推定される女性を殺害した。

◆シリアルキラーがお金を目当てに犯行をする場合は珍しく、スリル、性的満足、幻想世界の支配権を追求するため殺人をやらかす。一種の殺人中毒だ。失敗した現実世界から逃避して幻想の世界を構築しておいては、支配権を行使しようとする犯罪、という分析もある。非正常的親子関係、精神病的鬱病、虚無感、自分に対する批判を受け入れられない態度、社会的失敗と性的挫折から始まった憤りなどが共通に発見される。しかし、人生に成功した人々も、このような特徴のうち一つ二つは持っていることもある。

◆フロイトは、子供はそんな力さえあったら世界を破壊できると言った。シリアルキラーは正常な大人に成長する機会を逃してしまった「幼い大人」に比喩される。大多数のシリアルキラーたちは幼年時代に、家庭と社会から冷遇されながら育った特徴を持つ。青少年時代から刑務所を14回も出入りしたというシリアルキラー、柳永哲(ユ・ヨンチョル)容疑者が社会に与えたショックはおびただしい。映画の中にしか存在しないと思っていたシリアルキラーの恐怖が、我々の社会でも現実として現われ始めたのか。

黄鎬沢(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com