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[オピニオン]「大統領府のカラオケ」

Posted May. 30, 2004 22:40,   

愛唱歌は、その人が歩んできた人生の道程と、今後の志向を反映している。同志を多く糾合しなければならない政治家は、そのため「私たちの出会いは偶然ではない」で始まる「出会い」という歌を愛唱している。歴代大統領たちは、しばしば側近を大統領府に招き、酒宴を楽しんだ。朴正熙(パク・ジョンヒ)は「荒城の古跡(ファンソンイェット)」、全斗煥(チョン・ドゥファン)は「金(キム)笠(サカッ)」、盧泰愚(ノ・テウ)は「べサメムチョ」、金永三(キム・ヨンサム)と金大中(キム・デジュン)は「先駆者」を好んで歌った。大統領府で、日韓の首脳が「カラオケ首脳外交」を展開したこともあった。

◆先日大統領府で、ヨルリン・ウリ党の第17代国会議員当選者および中央委員を招請して行われた晩餐会場で「歌自慢大会」が開かれたという。26人の女性当選者と中央委員が「出会い」を歌っては雰囲気を盛り上げ、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は「虚空」を歌ってアンコールを受けると、自らの18番の「釜山(ブサン)かもめ」を熱唱したという。拍手の音が、会場中に響いたことだろう。参加者たちが、ことさら大きな意味を置いていたのは、第17代国会に足を踏み入れた386世代(1960年代生まれの30代で、80年代に大学生だった世代、現在42歳未満の世代)の当選者およそ30人が「貴方に捧げる行進曲」を合唱したこと。

◆晩餐会に参加した386世代の当選者は、あるインターネットメディアに、当時の感動をこのように綴った。「…大統領府の迎賓館で、それも大統領同席の場で歌った「貴方のための行進曲」は、大統領府の前庭を越えて、韓半島全体に鳴り響いていた。誰が想像したであろうか?この様な日が来ることを。…この歌を歌うだけで「赤」の烙印を押され、反政府の過激分子として刑務所行きとなるのが日常化していたあの頃のあの歌が、今では国会議員によって、大韓民国のど真ん中にある大統領府迎賓館のなかで鳴り響くとは…」

◆驚きだったのは、辛基南(シン・ギナム)党議長が、ユン・ボクヒの「やさしい笑顔」を歌ったこと。「やさしい眼差しや身振り、でも信じられないわ/時が経てば変わると知っていたから/…2人だけの話は楽しくても/振返れば忘れてしまう、こそばゆい囁き/だから貴方は信じられないわ」歌詞が尋常ではないことを察した司会者が「予め選曲する時間がなかった」として、雰囲気を取り繕ったということだ。国会議員が大統領府で反体制運動圏の歌を合唱し、大統領の前で執権政党の首脳が、平然と「やさしい笑顔…」を歌ったのだから、確かに世の中も変わったようだ。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com