満点に近い配偶者を捜し求め、損をしない結婚を願望するのが昨今の傾向だ。そのような点で、この前ある結婚式で新郎のお父さんが家族の代表として行った挨拶の言葉の中で、息子と嫁に呼びかけた文句が忘れられない。「結婚は100点ものと100点もの同士が出会って暮らすものではない。30点ものと40点もの同士がめぐり合い、100点に向かっていく道のりだ。相手を自分の好みどおりにしようとするおろかな考えは最初から見捨てろ」。
◆今年、古稀を迎えるある元高校教師は、若い時代、古書収集と頻繁な病気のため、さんざん奥さんの気をもませた。最近、彼が弟子に送った手紙には奥さんに対する切実な愛情がにじみ出ている。先日、奥さんに「君のひざを枕にして最期を迎えたいから長生きしてほしい」と言ったら、奥さんがこの上ない幸せを感じたという話だった。老夫妻の仲良しぶりがうらやましくてしょうがない。恩師は弟子に自慢した。「過去にもよい時代があったものだな。ところが、今がもっといい」。
◆「朝型人間」である50代の専門職の夫と「深夜型の人間」である専業主婦の妻は、結婚して10年間ことあるごとにぶつかりあった。外食メニューのことで言い合った末、それぞれ異なるレストランで食事をし、夫婦喧嘩の末、夫が妻の実家で一ヵ月間あまり過ごしたこともある。物事において、誰が正しい正しくないというわけではなく、お互い違う人だということにやっと気づいたのは、結婚して10年くらいが経ってからだった。夫は結婚20周年を迎える最近になってはじめて、「屋上の小部屋で暮らしていた貧しい家の片親の姑を養う長男」と結婚し、二人の子供を立派に育ててくれた妻が、糟糠之妻(そうこうのつま)だということを悟ったという。男性はもともと遅く分別がつくものだ
◆夫婦は一心同体で無親等、父母と子供は一親等、兄弟は二親等という。ところが、背を向ければすぐ他人になり、別れれば仇より恐ろしい関係になるのがまた夫婦だ。前世の仇が次の世に夫婦としてめぐり合い、恋人は親と子としてめぐり合えるともいわれる。今年最初に夫婦の日が制定されたのは、危機の夫婦が増えたことの裏返しだろう。家庭の月に二人が一人になるという意味として、5月21日を夫婦の日と定めたという。愛で家庭を築き上げてきたが、いつの間にか「相手に無頓着」になってしまった夫婦にお互いの大切さを改めて認識してもらう日になってほしい。
呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com






