Go to contents

[社説]「危機論拡大」で票を得ようというのか

[社説]「危機論拡大」で票を得ようというのか

Posted April. 13, 2004 22:42,   

「危機論拡大」で票を得ようというのか。

第17代総選挙の終盤の雰囲気が、「いかなる危機を避けるのか」という馬鹿げた方向に流れているのは、嘆かわしい。多数議席を占めるものと予想されるヨルリン・ウリ党とハンナラ党が危機論を掲げ、まるで有権者を「脅迫」するような有様だ。これは、各党の公約と候補を比べて、賢明な選択をするために悩んでいる有権者を裏切る政治攻勢に過ぎない。

ウリ党の選挙対策委員長を辞任して断食に突入した鄭東泳(チョン・ドンヨン)議長は、「40年を支配してきた議会権力の交代が水泡に帰す危機にあり、国民統合と政治改革の念願も流される危機にある」とし、「弾劾勢力の国会掌握を妨げる」と述べた。これに対立して、ハンナラ党の朴槿恵(パク・グンヘ)代表は、「巨大与党が出現するものと予想され、そうなれば今後4年間、国はまた困難を歩むことになる」と主張した。国民の立場から見れば、結局どの党を選択しても、危機に遭うという話ではないか。

ウリ党が危機を強調して、総選を弾劾に結び付けようとすることは、憲法裁判所の決定に従うことになっている憲法手続きを無視する発想であり、誤解の素地が大きい。総選挙の後遺症まで心配になる。鄭議長が「老人卑下」発言のため辞任すると言ったなら、責任を負う姿がむしろきれいだったろう。

この4年間、院内第1党として国民を失望させたハンナラ党が、巨大与党を危機の出発と断定することも無責任なことだ。ハンナラ党が大きくなれば安定で、与党が大きくなれば不安という論理に、何の説得力があるだろうか。

公然と危機を扇ぐ政党に、快く票を投じる有権者はいない。ハンナラ党とウリ党指導部は、今からでもしっかりしなければならない。ライバル党に危機の責任を転嫁するよりも、危機克服の青写真を示すことが正しい姿勢だ。