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[オピニオン]王様の側室

Posted January. 14, 2004 23:21,   

朝鮮王朝時代、王の側室たちの生涯は、辛く厳しいものだった。国王の目に留まり男の子でも生めば、富貴栄華を享受できたものの、そうでない場合、王様との一夜を待ち焦がれながら一生を終えなければならなかった。

王が亡くなると、再婚もできなかった。そのため、ほとんどが尼僧となった。節義を守りながら、王の冥福を祈るためだった。寡婦(未亡人)の側室らが尼僧となって暮らしていたお寺まであった。それが定業院である。

◆ハンナラ党の金貞淑(キム・ジョンスク)議員が、総選挙を控え、各政党が女性の有識者を迎え入れるのに必死になっているのを見て「今、側室選びをしているのか」と皮肉った。「王が側室を選ぶように、有名人の女性を迎え入れた後、側室のように使っては見捨ててしまう」というのである。金議員は「党内にも女性の人材が多いというのに、新しい女を探している」としながら「(新しい女も)6ヵ月もすれば古い女になる」と語った。男性議員がこのような発言をしたとすれば、女性を卑しめたとして糾弾運動が起きてもよさそうなものだが、女性議員の口から出されたとあっては、果たしてその反応はどうなることであろう。

◆女性の有識者を迎え入れようとしている政党の動きを見守る女性界の眼も、穏やかではないだろう。両性平等運動に青春を捧げたのに、いざ各政党が探している人は、世相を知り尽くしていると言うにはまだ若く、マスコミを通じて顔が知られているとは言え、きちんとした検証を受けた人物とは映らないとあっては、いくら国会議員を目指して選挙運動をしたわけではないにせよ、その心のうちが穏やかではないはずだ。とは言え、これを止めるのも難しい。誰であろうと、まずは数を増やすのが急務であるからだ。わが国の国会の女性議員の数は16人で、全体273人の5.9%である。世界181カ国のうち、104位にランクするほど、女性議員の数が少ない。

◆能力も問題である。政党が迎え入れた女性議員の中で、独り立ちに成功し、議会政治の歴史にその名を刻んだケースは希である。1960年代、民衆党の最高議員を務め、当時40代のYS(金永三元大統領)、DJ(金大中前大統領)を、大変寵愛していたという朴順天(パク・スンチョン)女史以後、これといった女性政治家が出ていないという指摘もある。幸い、新年にあたり、ある新聞が第16代議員の議政活動を評価したところ、女性議員が評点100点満点の74.4点を取り、73.72点を取った男性議員を抜いたというから、希望がないわけでもなさそうだ。そのうち、何人かの議員は、トップクラスに入ったという。仮に、側室のように選ばれたとしても、堂々と生き残れるのは、皆自分の裁量にかかっていると言えるだろう。

李載昊(イ・ジェホ)論説委員 leejaeho@donga.com