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絶対権力、その致命的な誘惑

Posted December. 16, 2003 23:38,   

果てしない約束以上の何かをこのように多く盛り込んだ指輪がこの世にまたあるだろうか。

17日、全世界70カ国で同時公開される「指輪物語」の完結編「ロード・オブ・ザ・リング;王の帰還」は、申し分のない傑作だ。スピーディーに製作された「指輪物語3部作」の完結編は信じられないほど第1部、第2部に比べ、ストーリーと視覚効果の半径がずっと拡大した。

映画はフロド一行、ガンダルフ一行、アラゴルン一行の3パートのすれ違う状況を平行編集し、緊張とサスペンスを最大化する一方、フロドを取り巻く周辺キャラクターたちの内面に奥深く踏み込む。指輪の破壊の使命を負ったフロドと、彼と同行するサムはもちろん、第1、2部で過ちを続発し、心細かったメリーとピピンも自分を取り巻く逆境ストーリの中心になり、それぞれ自らの運命に立ち向かって戦う。

サウロンは、人間の種族を滅亡させるため、20万の大軍を動員してゴンドールを攻撃し、ガンダルフ(イアン・マッケラン)とセオデン(バナード・ヒル)はゴンドールとローハン軍を集結させ、必死で対抗する。アラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)、レゴラス(オランド・ブルム)、ギムリ(ジョンライス・デイビス)は、幽霊兵士たちの助けを受け、ペレンノール野でサウロンの連合軍と合戦を繰り広げる。一方、フロド(ライジャ・ウッド)は、彼を惑わそうとするゴルムの口車に乗り、律儀な部下サム(ショーン・アスティン)を次第に遠ざける。あげくの果てに「火の山」に上り、指輪を持ち出したプロドは指輪の誘惑の前で葛藤しはじめ、ゴルムはプロドに飛びつく。

あいにくなことに完結編では、どの人物よりもゴルムに焦点が当てられている。多重人格のキャラクターであるゴルムは、一見プロドの信頼を得るため、サムと競争するかのようにみられるが、実はプロドの分裂的な姿を映す鏡のような存在だ。ゴルムは、最後まで自分の欲望をあきらめずに身を投げ、プロドは反対に自分の義務をなおざりにしたまま、欲望の奴隷になる。お互いの欲望にこだわるこの二つのあがきがぶつかり合い、指輪が破壊するというアイロニーは善悪の二分法的構図を技術的にぼやかし、人間の欲望に対する本質的な疑問を投げかける。ごまかしとうその塊であるゴルムは、自分の意思とは関係なく、プロドが「第2のゴルム」になるのを防ぐ。

特殊効果の規模はずっと大きくなったが、同時にいっそう肉化しており、リアル化している。第2部の「ヘルム峡谷」戦闘に登場した1万人のデジタルキャラクターの20倍である20万人のデジタルキャラクターが、ペレンノール野戦闘場面に登場する。カメラのアングルはキャラクターたちをゴマ粒のように空中から見下ろしながら撮ったかと思えば、いつの間にか降りてきて、個々のキャラクターたちを引き立てる。重たい石、大砲玉を追っていくカメラのワーキングは、中世風の武勇談をたくみに再現する。ゴルムとプロドを含めたキャラクターたちの瞳を極端にクローズアップして、サイコドラマ的な色合いを作り上げるエキストリムクローズアップも効果的だ。像と類似している怪物であるオリパウンツがタンクのように、戦場を闊歩する姿と「悪女の子宮」のにおいを漂わせる超大型蜘蛛シェロブのキャラクターは創造的なものだ。

ピーター・ジャクソン監督は、ミニアチュアとコンピューターグラフィック、実写を入り混ぜて作った神話的な世界を現代人に共感してもらえるような嫉妬と信頼、愛の物語として再構成した。監督の腕は原作に負けず劣らずのものだ。12歳以上観覧可。上映時間3時間半。



李承宰 sjda@donga.com