今年4月9日、東京株式市場の取り引きが終ると、証券市場の周辺にはしばらく動揺が走った。戦後半世紀以上、日本の看板企業として君臨してきたソニーの時価総額がキャノンに抜かれて2位に落ちたためだった。
ソニーの時価総額が3兆7203億円まで下落した反面、キャノンは時価総額3兆7451億円で電気器機部門1位に浮上した。日本のマスコミ各社は、「キャノンがソニーを抜いて日本ハイテック企業のトップに浮上した」と報道した。
6年前の1997年まででも、キャノンの時価総額はソニーの5分の1に過ぎなかったため、これは衝撃だった。以後、キャノンの好調とソニーの不振がかみ合って、時価総額の差はさらに広がっている。
▲日本が驚嘆したキャノンの好調〓キヤノンは昨年1970億円の純利益を出した上、今年も2500億円以上の純利益(税払い後)を出す見通しだ。1999年以後5年連続最高記録を更新し続けている。長期不況のあおりを受け、有名大手企業も苦戦を強いられている中で成し遂げた実績であるため、さらに注目を集めている。
キヤノンの好調はコピー機、スキャナーなど事務機器の売れ行きが好調な上、新製品のデジタルカメラが立て続けにヒットしたため。品揃えは簡単だが、カラーコピー機、レーザープリンター部品など、すべての製品が利益を出すしっかりした収益構造を持っている。
▲逆発想の革新〓キャノンは御手洗富士夫社長が就任してから、米国型大量生産のシンボルであるコンベアーベルトの組み立てラインを工場から追放した。従業員の業務能力とは関係のない千篇一律の作業速度が、かえって有能な熟練工の能力発揮を妨げるという理由からだった。
その代わりに数人がチームを組んで、最初から最後まで責任を持って完成品を創り出すセル(Cell、細胞)方式を取り入れた。単純作業を繰り返す従来の方式より退屈でないため能率が上がるという点に着目した。
キャノン関係者は、「全世界の市場の注文状況に合わせて、モデル別に生産量を調節する仕組みを整えることで、在庫管理と流通費用を減らした」と述べた。
ほとんどの企業が先を競って中国に進出する流れとは違う道を歩んだのも特徴。むしろ中国で生産してきた廉価の生産品を日本で作るために全自動生産ラインを導入することにした。中国の人件費は日本より低いものの、全自動で生産すれば中国よりさらに安いコストで生産できるということ。先進国の消費者が中国製製品について否定的な認識を持っていることを考慮すれば、「メイド・イン・ジャパン」の效果が少なくないと判断した。
▲「キャノンを学ぼう」〓数年前、日産自動車の最高経営者(CEO)、カルロス・ゴーン社長がリストラを通じて破産寸前だった日産を立て直すと、日本の経済界では「西欧型経営だけが生き残る道」という認識が広がった。
こうした風潮に歯止めをかけたのがキャノン・モデル。職員を解雇せず、良い実績が出せるということを実証されると、経済専門家は「21世紀の日本型経営モデルが誕生した」と興奮した。
キャノンは研究開発(R&D)投資を売上げの8%まで引き上げて、昨年度の米国内特許権取得件数においてIBMに次いで2位を占めた。御手洗社長は長期不況によって「世界2位の経済大国」という自尊心が傷つけられた日本国民の新しい英雄に浮かび上がった。
朴元在 parkwj@donga.com






