「宇宙を飛ぶという数千年の夢が実現する。民族的自負心を感じざるを得ない。もう誰も中国を無視することができないだろう」
中国は今、有人宇宙船神舟５号の打ち上げを控えて期待と興奮に包まれている。人々が集まれば神舟５号の話で花を咲かせる。中国の各マスコミも記者たちを大挙現場に派遣して、連日特集記事で雰囲気を高めている。
▲打ち上げ及び宇宙飛行〓神舟５号の打ち上げ日程は１５日から１７日の間となっているが、すべての準備が完了した状態なので気象異変がない限り、１５日午前９時を前後して打ち上げられるものとみられる。神舟５号が打ち上げられる甘肅省酒泉衛星基地は１２日の夜から戒厳令が宣布された。
打ち上げの成功率は９７〜９８％で成功は当然なものと受け止められているが、失敗の可能性も排除することができない。官営ＣＣＴＶは「中国指導部が打ち上げに失敗する場合に被る政治的リスクを考慮して生中継の計画を撤回した」と述べた。
神舟５号は、打ち上げから１０分で長征２Ｆロケットから分離して高度２００〜３５０ｋｍの地球楕円軌道に乗り、３４３ｋｍ地点で原型軌道に着く。続いて２３時間の間、地球を１４回旋回しながら、各種の実験を行った後、内蒙古中部の草原地帯である四子王旗に帰還する。
▲神舟５号打ち上げの意味〓有人宇宙船の打ち上げに成功すれば中国は米国、ロシアに続いて「宇宙クラブ」の仲間入りを果たす。旧ソ連が１９６１年世界で初めてユーリ・ガガーリンを宇宙に打ち上げてから４２年ぶりのことだ。
中国はこれから３年以内に月の探査衛星を打ち上げ、１０年までに月に人間を送り、４０年までに火星探査宇宙船を打ち上げるという野心に満ちた計画を立てている。
今度の宇宙船の打ち上げは科学技術力の誇示だけではなく、国のプライドを鼓吹する効果をも持っている。また、中国が有人宇宙船の打ち上げを通じて確保した技術は米国が推進しているミサイル防御（ＭＤ）計画にも影響を及ぼすものと専門家たちは見ている。
▲権力構図に影響与えることも〓中国共産党は０８年のオリンピック招致に続いて、有人宇宙船を打ち上げることで政治的掌握力を一層強固にするものとみられる。国民のプライドを高めて開放過程で生じた疏外階層の不満を払拭させる効果もあげるものとみられる。
１９７０年代の文化大革命で中断された中国の宇宙開発計画を１９９２年に復活させた人は中央軍事委員会の江沢民主席。したがって今回有人宇宙船の打ち上げが成功すれば、江首席が栄誉を手にすることもできる。この場合、江主席の陰から脱しようとする胡錦涛国家主席など第４世代指導部には負担になることにもなる。
yshwang@donga.com
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