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社内推薦制、人材採用の新しい方式に定着

Posted May. 20, 2003 22:12,   

「ホン△△さんは、△△会社で4年間電子メールのセキュリティ・システム開発で核心的な役割を果たしてきた。推薦者との関係はA大学電子工学科の同期。まじめな性格で人間関係に問題なし。推薦水準は上・中・下の中で中級」。

インターネット・セキュリティ会社である安哲秀(アン・チョルス)研究所が最近、経歴社員を採用に当たって、社内の電算網を通じて、ある社員から送られた「社内推薦書」の内容だ。同社は01年から社内推薦制度を取り入れて、その年に社員の28%である23人、02年には44%である34人を採用しており、今年にも20〜30%をこの方式で採用する予定だ。採用が確定すれば、推薦した社員にインセンティブ100万ウォンを与える仕組みになっている。

▲業務にぴったりの人材推薦〓2〜3年前から一部の大手企業と情報通信、外資系企業などが取り入れ始めた社員推薦制が、人材採用の新しい方式として定着している。

安哲秀研究所の成百敏(ソン・ペクミン)人事チーム長は「経歴職、随時採用に採用方式が変わってから、社内推薦制が大きく拡散している。業務にぴったりの人材を採用することができるうえに、費用もヘッドハンティング会社の4分の1水準だ」とメリットを説明した。

00年末、この制度を取り入れたLG化学は、経歴5年以上の研究開発(R&D)専門人材を社内推薦制で採用している。採用が確定すれば、推薦者に採用された人の年俸の1.5%を与える。さらに入社1年が経つまで勤めていれば、再び1.5%を推薦者に褒賞として支払う。この会社の盧仁浩(ノ・インホ)人事チーム長は「推薦した社員が新規採用者のメンター(Mentor・助言者)の役割を果たすので、適応時間が短くなり、離職率も極めて低い」と話した。

LG電子も、R&Dと海外営業分野の修士号以上の核心人材採用に社内推薦制を取り入れて、今年の採用人員1800人余りのうち、150人余りをこの方式で選抜する。00年からこの方式で年間10人余りを採用したCJも、今年の下半期にシステムを改善して、採用人員を大きく増やす方針だ。この他にSKテレコム、SK C&C、ハンソル製紙、ペンテック&キュリーテル、韓国HP、ヤフーコリア、デュポンコリア、大熊(テウン)製薬なども社内推薦制を取り入れた。

▲大卒者には新たな難関〓社内推薦制は欧米企業では年俸契約制とかみ合って「リフェラル(Referral・紹介)」という名前で一般化している。韓国でも多くの企業が少数の人材を、知り合いを通じて採用してきただけに、全く新しい採用方式ではない。しかし、過去には実力とは関係なく「天下り方式」で行われる場合が多かった。それに対して、最近の社内推薦制は核心人材の確保のために、公開的かつ組織的に行われるうえに、推薦者にインセンティブと責任が与えられるということが違う。

学閥、人脈、地縁などあらゆるコネが力を発揮する韓国社会の特性のため、他の社員と公平性に問題が生じる恐れもある。CJの崔暘基(チェ・ヤンギ)人事担当常務は「社内推薦で人を選ぶ時にはむしろ選考過程をもっと厳格に管理することで、推薦部署やチーム長の独断的な判断で採用できないように『ブレーキ装置』をもうけなければならない」と話した。

社内推薦制が拡散するにつれ、会社経験がなく、「人的ネットワーク」も不足する大卒就職者たちの就職の窓口はさらに狭くなるものとみられる。インターネット採用情報会社であるインクルートの李光錫(イ・グァンソク)社長は、「希望する職場に就職するためには、就職が相対的に易しい同じ業種の他の業社で経歴を積んだ後、『目標企業』に移すという中長期戦略が必要だ」と話した。



朴重鍱 sanjuck@donga.com