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なぜ対北、対米発言が変わったか

Posted May. 19, 2003 22:00,   

先週、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の米国訪問期間中にあった北朝鮮と米国関連の発言が就任前後と比べて、変わった理由は何かについて関心が集まっている。就任初期に対等な韓米関係を強調していた盧大統領が、韓米同盟の重要性と北朝鮮の変化の必要性を力説するなど韓米間の「コード合わせ」に集中したからだ。

盧大統領の対北、対米観の変化について「弱腰の親米外交」という非難と、「韓米同盟の重要性さと北朝鮮の実体に対する正しい認識」という相反する評価ととともに、論争議論を呼んでいる。

盧大統領の態度変化に影響を及ぼした一番重要な理由は、韓米首脳会談の共同声明文案の調整過程で直面した米国の強硬な態度のためという分析だ。外交通商部(外交部)の李秀赫(イ・スヒョク)次官補は、会談1週間前に国家安全保障会議(NSC)の徐柱錫(ソ・ジュソク)戦略企画室長とともに、ワシントンで米国側と共同声明について協議を行った。

表現一文字をめぐって踏み込んだ協議を進めなければならない外交部が米国の実際の立場をそのまま大統領府に伝えた。そして、韓米関係の改善が韓半島問題の解決の出発点であるということで政府内で共感を得たという。この過程で尹永寛(ヨン・ヨングァン)外交部長官、潘基文(バン・ギムン)大統領外交補佐官、金煕相(キム・ヒサン)大統領国防補佐官などが韓米同盟の重要性とブッシュ米大統領との信頼構築の必要性を、盧大統領に積極的にアピールしたという。

盧大統領の態度を変化させたもう一つの重要な要因は北朝鮮の核脅威という分析だ。米国、中国、北朝鮮の北京3者協議で、北朝鮮が核保有を宣言し、核再処理の動きで脅かすやいなや、これ以上核問題を無視して南北関係の改善だけを考えることが難しくなったというのが、政府当局者たちの説明だ。

北朝鮮は、韓米首脳会談直前に特使交換の提案など様々な融和的なジェスチャーを取ったものの、北朝鮮の持続的な核脅威を見てきた盧大統領がこれを断ったという。特に訪米中だった12日、北朝鮮が韓半島の非核化宣言が無効になったと主張するやいなや、盧大統領が北朝鮮に対する強硬姿勢を一層固める要因となった。

盧大統領が韓国経済構造の脆弱さを認識したことも対米、対北朝鮮観を変える一要因になったという。政府関係者は、「盧大統領が北朝鮮核問題や韓米葛藤で韓国の信用格付けが下方修正される場合、経済に致命的な打撃を与えるということを明確に知っていた」と話した。

しかし、盧大統領の対米朝認識そのものが変わったわけではないという観測もある。盧大統領はイラク戦派兵など世論が分かれる事案を決める際、「国益のための選択」という理屈を持ち出したが、今回の訪米期間中の発言も「国益のための不可避な変身」と考える可能性が高いという話だ。したがって、韓米関係と対北政策の方向も国益を優先した戦術的変化であるというのが大方の見方だ。



金影植  spear@donga.com