イラク戦争は、フセインの行方の確認、大量破壊兵器(WMD)の所在の把握および排除など、山積の課題を抱えている。
しかし、ブッシュ米大統領が1日、「主要な戦闘の終了」を発表したことで、事実上の終戦を宣言することが適切なのだろうか。
AP通信は、米国は歴代の戦争で不明瞭に終戦したことが多く、ブッシュ政権がイラク戦争で確かな終戦宣言をするには、戦闘車両などがどれほど残っているのか、フセインの行方はどうなのかを把握した後になると伝えた。
南北戦争の場合、南軍のロバート・リー将軍が1865年4月9日に、ヴァージニア州のアポマトックスで、北軍のユーリセス・グラント将軍に降伏の署名をしたが、最後の戦闘が終わったのは、その年の5月26日だった。
朝鮮戦争の場合、終戦ではなく休戦だった。
湾岸戦争も公式的には終わっていない。当時のブッシュ大統領は1991年2月27日に、「連合軍がクウェートを解放させた。イラクに対する軍事作戦は延期する」と発表した。
この時の条件にイラクが同意したことで、戦闘行為が中断された。
01年のアフガニスタン戦争の場合、公式的な終戦宣言はなかった。その年の12月22日に首都カブールに暫定政権が樹立し、米国代表部に米国旗を掲揚してその代わりとした。しかし、今もアフガンのタレバン政権やテロ組職アル・カイダの残党は、米軍と交戦を繰り広げている。ラムズフェルド国防長官は、アフガンとパキスタンの国境でいくつかの戦闘が残っている状態で「安全が定着した」としている。
イラク戦争も同様の状況だ。これは、終戦が文書に調印された第1、2次世界大戦とは異なる様相だ。これはまず、降伏の主体であるフセインの行方がはっきりしないためだ。
また、ブッシュ大統領が2001年の同時多発テロの直後、テロとの戦いの性格を明らかにし、「単一の戦闘ではなく、我々がこれまで見たことのない長い軍事行動だ」と規定したこととも関連がある。
權基太 kkt@donga.com






