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サウジからの米軍撤退が本格化 世界的な米軍再編の一環

サウジからの米軍撤退が本格化 世界的な米軍再編の一環

Posted April. 30, 2003 22:08,   

全世界的な米軍再編作業が、サウジアラビアを皮切りに幕を上げた。イラク戦の砲声が止むや、サウジ駐留米合同空軍作戦センター(CAOC)がカタールにすでに移転し、プリンス・スルタン空軍基地の米空軍戦力も夏が終わる前に移転される。サウジには、年末までに約500人規模の飛行訓練兵力だけを残す予定だ。

30年代のフランクリン・ルーズベルト大統領在任時代から続いてきた両国の堅い軍事外交関係は、これにより大きな変化を迎えることになった。

▲全世界的な米軍再編戦略の一環〓サウジからの米軍撤退は、極東アジアや欧州地域など、世界レベルで繰り広げられている米軍再編作業の一つだ。ラムズフェルド米国防長官は「北大西洋条約機構(NATO)内の米軍の一部の拠点も西欧から東欧に移すこともあり得る」と語った。

国防総省はさらに、△在韓米軍3万8000人の縮小及び駐留地の移転、△ウズベキスタンなど中央アジアの米軍基地の処理問題も可能な限り迅速に解決する態勢であり、世界の軍事力バランスは急速に変化する見通しだ。

▲サウジと米軍の堅い関係〓サウジと米軍の軍事協力は、ルーズベルト大統領時代、旧ソ連に対抗して戦術核をサウジのダラン空軍基地に配置して始まった。さらに世界最大産油国であるサウジは60年代以降、国際原油価格を適切に調節する緩衝材の役割を担い、米国はこれに対する見返りとして最新戦闘機を販売するなど、サウジ王政を支援した。

特にレーガン大統領時代には、サウジが国際原油価格の下落を扇動し、原油を売って外貨を稼いでいたソ連経済に打撃を与え、ソ連のアフガニスタン侵攻に反旗を翻したムジャ・ヘディン勢力を米国とともに支援した。

▲なぜ撤収するのか〓サウジに駐留する米軍は、91年の湾岸戦争以降5000人に増えた。イラク南部の「飛行禁止区域」を監視するためだった。

しかし、米軍がイスラムの聖地であるサウジに長期駐留体制を構築すると、イスラム信徒たちの反発が激しくなった。アル・カイダのリーダーであるオサマ・ビン・ラディンは、米軍のサウジ駐留を「イスラムの自尊心を踏みにじる」象徴的事件とし、イエメンに停泊していた米軍戦艦に自殺爆弾テロを加え、さらに同時多発テロを行なった。

同時多発テロの容疑者の相当数がサウジ国籍であることから、米国内の反サウジ感情も高まっている。

▲波紋〓米軍の撤収でひとまずサウジの実質的統治者であるアブドゥーラ皇太子(79、ファハド国王の弟で第1王位世襲者)の政治的立場が改善される見通しだ。

両国関係の冷却を憂慮する見方にもかかわらず、アブドゥーラ皇太子は、△米軍が依然としてサウジの石油を必要とし、△中東と米国の緩衝材の役割を継続して担うという点で、サウジの未来を楽観している。無論、米国もサウジの経済的パートナーであり、保護者的役割を自任している。

ただ基地移転にもかかわらず、イラクの侵攻とパレスチナ問題などで中東に拡散した反米感情が収まる可能性は高くない。



朴來正 ecopark@donga.com