高級公務員の公費が月額1000万ウォン台に及んでいるという柳寅泰(ユ・インテ)大統領政務首席秘書官の発言と関連し9日、一般市民と市民団体は公費の規模に驚きを表すとともに、公費の使用内訳を詳細に公開するよう促した。一方、公務員たちは、公務員の公費に関する基本的な事実確認すら行っていない無責任な発言だとして、大きく反発する雰囲気だった。
▲市民の反応〓会社員の朴さん(35、ソウル九老区ケボン洞)は「安月給を嘆いていた公務員たちが、あれだけ多額の公費を使っていたことに驚いた」としながら、「公費の規模と使用内訳を全て公開すべきだ」と強調した。
参加連帯透明社会局の李在明(イ・ジェミョン)チーム長も、「公務員の公費を公開すべきだとする柳首席の発言を肯定的に評価する。公費の公開にあたりその実効性を高めるには、単なる総額公開ではなく、具体的な支出内容が盛り込まれた支出証憑書類も一緒に公開しなければならない」と主張した。
経実連(経済正義実践市民連合)の金容撤(キム・ヨンチョル)部長は、「これまでも公務員の公費使用問題は、マスコミと市民団体などから幾度となく指摘を受けてきた。柳首席が、この問題を説得力をもたせて伝えようとする過程で、(公費の規模など)一部の事実について発言を誤り、問題の余地をつくってしまったのは確かだが、その発言の趣旨と意図は妥当」だと述べた。
一方、「正しい社会のための市民会議」の崔炳鎰(チェ・ビョンイル)事務総長は、「公費の乱用を指摘したことは正しかったものの(公費の規模など)、誤った事実を述べて公務員のモラールを低下させたのは、改革のためにも望ましくない」と指摘した。
▲公務員の反発〓この日、職場に出社した公務員たちの間では、柳首席の発言が話題に上った。公務員たちは、一斉に「公務員の公費の概念や規模などに関する基本的な事実も確認しないまま、全ての公務員を泥棒扱いした」として、興奮した様子だった。
行政自治部の幹部Aさんは、「朝、新聞に載った柳首席の発言を読んで『家族や親類が私をどう思うだろう』という思いで、錯雑とした心境だった」と語った。
別の幹部Bさんは、「柳首席の発言にあった金額のせめて半額だけでも公費として受け取っていれば、こんなに悔しい思いはしないはずだ。柳首席は、情報の提供者を明らかにすべきだ」と、声高に語った。
さらに、別の幹部Cさんは「誤ったマスコミの報道については積極的に訂正すべき、とする大統領府の指針に基づいて、柳首席の発言について各省庁の室長および局長たちが、共同で大統領府に訂正を申込むべきでは」と憎まれ口をきいた。
教育部の幹部Dさんは、「一部そのような事例もあり得るだろうが、それを公務員全体に一般化して語るのは無理がある」と語った。
また、「基金運用委員会が会議録も残していない」という柳首席の発言についても、公務員たちは「基金運用委員会だけでなく、政府傘下全ての委員会が会議録は必ず残している」と反論した。
▲実際は?〓各省庁の室長および局長たちに公費名目で支出される予算はなく、局単位で業務推進費のうち、支出の用途が決まっていない一般業務費を、公費と同じ概念で、食事代などとして使っている。
企画予算処が、毎年各省庁の局単位で1年分の予算を策定する業務推進費は、同じ省庁でも局によって差があり、このうち一般業務費の場合、局ごとに毎月50万〜200万ウォンを使っている。
なお、室長や局長だけでなく、課長や職員たちも共同で使っており、個人用途の使用を禁ずるために必ずクレジットカードで支出した後、領収証を提出するようにしている。
したがって、国際的な対外業務などを取扱うごく少数の省庁の室長や局長を除いて、ほとんどの室長および局長が1ヵ月間で使用できる一般業務費は、200万ウォンに満たないとされている。
李賢斗 孫曉林 ruchi@donga.com aryssong@donga.com






