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[社説]「特別補佐官」に囲まれる大統領

Posted March. 26, 2003 22:40,   

大統領府が名誉職である大統領特別補佐官(特補)を数人置くとして論議を呼んでいる。無報酬だとはいえ、肥大化した大統領府の規模がさらに大きくなり、それだけ既存の組職をい縮させる可能性がある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、大統領選で組職特補を務めた李康哲(イ・ガンチョル)氏を政務特補に内定したのに続き、盧氏後援会長だった李ギミョン氏などの側近らを特補に起用する案を検討しているとされ、論争が拡大するものとみられる。

大統領府は、職責を持たないまま数々の役割を担当する場合、「秘密ライン」という誤解を招く恐れがあるため、公式の肩書きを与えることにしたと説明しているが、納得できない。システムによる政治ではなく私的政治として映る可能性がより大きい。特補に内定されたか取りざたされている人物のほとんどが盧大統領と長年の政治的同志の関係にあったことから、なおさらだ。彼らが特補という肩書きを持って、随時大統領府を出入りすること自体が「もう一つの権力」として認識される可能性がある。

考えてみると、名誉職の大統領特補の新設は秘密ラインの公組織への吸収であるというよりは、むしろ大統領側近たちの肩に羽をつけてあげる形だと言った方が正しいだろう。ただでさえ盧大統領は、政権引き継ぎ委員経験者を政府省庁の業務報告に陪席させるなど、国政運営に制度圏外の力を「動員」しているという批判を政界から受けている状況だ。

特に、多くの分野に大統領特補を据えることは、各省庁の長官が所信を持って政策を立てるようにと、大統領府に省庁担当の首席室を廃止した当初の主旨ともかみ合わない。例えば大統領府の中に文化特補や労動特補がいる場合、文化観光部と労動部が彼らの機嫌をうかがうことになるのではないか。省庁の上に「特補上官」が君臨するようになるのではないか。なおかつ無報酬の名誉職として活動する場合、不正の生じる可能性がさらに大きくなるかも知れない。大統領選挙の論功行賞という非難を免れることも難しいだろう。大統領特補は大統領選挙の時の候補特補のように多くの人に分け与えるような職責ではない。