宋光洙(ソン・グァンス)検察総長内定者は、まず国会の人事聴聞会を経なければならず、表決はしないまで決定的な欠点が明らかになれば、任命が困難になる事態が生じる恐れがある。初の検察総長人事聴聞会に世論の視線が集中しており、宋内定者が検察になってからの捜査や行政、そして行動などが、総合的に評価を受ける試験台をパスすることは、決して容易ではなく、また容易であってもいけない。
新検察総長の当面の課題は、国民の信頼を回復させ、大きく動搖した検察組職を安定させることだ。破格的な序列破壊人事の意図をめぐって様々な解釈が可能だろうが、検察捜査が幾度となく公正問題で取り上げられて国民の信頼が落ちたことで、他律改革を招来した側面もある。検察の独立と自立確保のためには、新検察総長に透徹した信念と倫理意識が求められる。
韓国の民主化への移行程度からみても、検察や警察、国家情報院の情報機能に依存して政権を維持していた時代と、もはや離別する時が来た。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と康錦実(カン・グムシル)法務部長官は、検察捜査に干渉しないという意志を重ねて口にしているが、検察の政治的中立と捜査の公正さは、検察自らの決然たる意志がなくては成り立ちがたい。
社会の腐敗を取り除く検察関係者は、他のいかなる職種よりも高度な倫理意識を持たなければならない。高級服ロビー事件や検察総長の兄弟による金品授受事件で明らかになったように、民主化以降、検察の権限が強くなり、検察を査定する機関がないことへの警告サイレンがあちこちで鳴っている。捜査不正を排除し、検察関係者の倫理意識を引き上げることも、新しい検察総長に与えられた責務である。
新検察総長は、なによりも人権意識が確固な人物でなければならない。最高の権威を誇る捜査機関で、拷問捜査のような国家犯罪が起ってはならないからだ。宋内定者が、果たしてこのような資格を備え、誤りなく任期を終えることができる資質と能力を兼ね備えた人物かどうか、徹底した検証が求められる。






