誰にとっても休暇は気力回復や充電の時間である。それは大統領とて例外ではない。複雑な国政から解放され、読書や散策などで余裕を持てば、これがまた国政の生産性につながる。各国の大統領がどんなに国政に多くの問題があっても必ず休暇を取るのは、こうした理由があるからだろう。米国のブッシュ大統領も夏や冬を問わず、年に数十日テキサス州のクロフォード牧場などで休暇を楽しんでいる。もちろん、休暇期間にも重要な決裁や決定は行われるが、休みにより比重が置かれている。
◆米大統領ほど長くはないが、韓国の大統領も夏や連休になると、休暇を過ごしに行く。李承晩(イ・スンマン)元大統領は江原道(カンウォンド)の花津浦(ファジンポ)別荘、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領は慶尚南道鎭海市(キョンサンサムド・チンヘシ)の楮島(チョド)で休みを過ごした。その後よく使われた大統領休養地は、忠清南道(チュンチョンナムド)大清湖(テチョンホ)周辺の青南台(チョンナムデ)。80年末、大清ダムの完工直後、当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が周りを見て回り、「ここに別荘があったらいいね」とぽろっと言ったのがきっかけで工事が始まり、83年に完成した。全斗煥、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は、朴大統領の時代に建てられた「地方大統領府」も頻繁に利用した。当時、釜山(プサン)、済州(チェジュ)、全州(チョンジュ)には大統領の宿舎が別にあり、光州(クァンジュ)、大邱(テグ)などには知事や市長の公館内に別途の施設があった。しかし、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が「地方大統領府」をすべて閉鎖したため、青南台だけが大統領休養施設として残ることになった。
◆青南台は単なる休養地ではなく、大統領が政局構想を行う場所としてもよく知られている。金泳三元大統領は国政に問題が生じたり決心が必要なとき、ここを訪れ、自分の考えをまとめた。金元大統領の場合、金融実名制の発表や全・盧両元大統領の逮捕を前に青南台を訪れた。金大中(キム・デジュン)前大統領は独立記念日の演説などをここで書いたと伝えられている。そのため、メディアは大統領がここを訪れると、「青南台構想」という表現を使い関心を示してきた。外国の大統領の場合、メディアがゴルフや釣りなど「休み」にポイントを合わせるのに対し、韓国では政局構想など「仕事」により関心が集められる。これも文化の差だろう。
◆盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が青南台の住民への返還を検討するよう指示し、ここがどのように整備され、どのような用途で使われるか関心が集まっている。大統領府は、青南台があることから周辺が警護地域に設定され、これまで住民が強いられてきた不便を、これを機に解消する方針だという。地元住民の長年の要求を受け入れたため、気分のよい決定が行われるだろう。非難の対象となってきた青南台が、住民に身近で、かつ地域経済に役立つ空間として様変わりすることを期待する。
宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com






