大邱(テグ)地下鉄放火事件の惨事以降、地下鉄の安全に対する市民の不安感がさらに大きくなっている中、ソウルと釜山(プサン)地下鉄で事故が相次いで発生した。
ソウル地下鉄の場合、先月28日に断電事故に続いて3日には電動車の急停止事故が、2日には釜山地下鉄で火災事故が発生した。
とりわけ釜山地下鉄の火災の場合、5分後に鎮火されたものの火災が起きたことを知らずに電動車が火災発生区内に進入するなど、大邱地下鉄の惨事とほぼ似たような状況が起き、地下鉄関係者の災難不感症が見られた。
▲ソウル地下鉄の事故〓3日午前7時10分頃ソウル地下鉄5号線のケファサン駅を出発し、金浦(キムポ)空港駅に向かっていた都市鉄道公社(地下鉄5〜8号線)所属の電動車5029号が急に非常制動装置が作動され急停止し、ケファシャン駅から20m離れた地下トンネルで乗客約200人が14分余り閉じ込められる事故が発生した。
都市鉄道公社の関係者は、「電動車の加速やブレイク装置を作動させる『主管制御機』に瞬間的に異常電圧が流れ、コンピューターが非常制動装置を作動させたものと推定される」と述べた。また、「コンピューターが非常制動装置を作動させなければ、電動車の加速などさらに大事故発生も有り得た」と付け加えた。
事故が発生しても地下トンネルではドアを開くことができないようになっている電動車のシステムのために乗客は不安におびえ、後を次いで出発した5551号車が受動で金浦空港駅まで押して行った。
また、同日午前9時38分頃、ソウル地下鉄3号線の大峙(テチ)駅を出発し、ハクヨウル駅に到着したソウル地下鉄公社(1〜4号線)所属の電動車3099号の機関室反対側の運転室出入り口付近で火災による煙が発生し、乗客約100人が緊待避する騒ぎが起きた。
地下鉄公社は運転室出入り口の隙間に挟まれていた新聞紙と飴玉を包んでいたビニールが焼けていることから、乗客が捨てたたばこの吸い殻で火が出たものと見ている。
▲釜山地下鉄の火災〓2日午後11時15分頃、釜山地下鉄2号線の西面(ソミョン)駅地下3階の乗り降り場、門峴(ムンヒョン)駅方面のトンネルの入り口にある照明などに分電ボックスから電気ショートと思われる火災が発生した。火が出ると電車を待っていた乗客およそ100人が緊急待避し、閉鎖回路(CC)テレビでこれを発見した職員4人が駆けつけて消化器で5分後に鎮火した。
だが、火災発生瞬間から鎮火するまで約5分間運転司令室にはこうした事実が全く報告されず、乗客の避難放送も行われなかった。特に、西面駅へ向かっていた2319号車が火災があったことを知らずに駅区内に進入し、乗客を緊張させた。
機関士の李(イ、33)某氏は区内に煙が溜まっているのを発見してやっと、運転司令室に「西面駅で火災訓練があるのか」と連絡を取ったことが後で分かった。
これについて交通公団は、「駅務員は『先措置、後報告』の業務規則にしたがって、火災をすばやく鎮圧し、運転司令室に報告したので手続き上の問題はない」と主張した。
▲ソウル地下鉄の問題点〓昨年ソウルで発生した地下鉄運転障害のうち相当部分が整備不良のためだということが分かった。昨年1〜4号線電動車の運行が10分以上遅れる運転障害10件のうち8件が、整備や補修欠陥や乗務員の運転不注意など事前に注意していたら十分に予防できるものだった。
5〜8号線の運転障害の原因は車両故障が7件で、残りは信号設備の故障、線路障害、その他がそれぞれ1件だった。コンピューターで作動される5〜8号線の特徴上、コンピューターの誤作動による障害がこのうち3件だった。






