今日の午後に、東橋洞(トンギョドン)の私邸に帰る金大中(キム・デジュン、通称DJ)大統領の後ろ姿を、盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領は、これから5年間はずっと忘れてはならない。DJ政権の影を取り除くのが優先課題であることを認識しながら、DJの過ちだけを引き受ける姿勢で、国政に臨まなければならない。それが無限責任を負わなければならない国の指導者に与えられた使命だ。
盧次期大統領は、政治的かつ人間的な恩恵と恨みのために判断を誤ってはならない。DJや選挙功臣らに対する負担感はもちろん、大統領選挙の時に非協力的だった与党内の政治家や、競争相手だった野党に対する遺憾の気持ちをすべて払拭しなければならない。DJ政権初期の功臣、官僚、野党との関係定着の失敗が、後で与党内の反目と政治破局の要因になったことを忘れてはならない。
DJの独りよがりと我執に対する批判が絶えなかったことも、盧次期大統領は他山の石にしなければならない。分裂と保革葛藤を誘発し対北裏取引疑惑で退任する瞬間まで、DJの足を引っ張っていた「太陽政策」が代表的な例である。目的に対する行き過ぎた価値付与と自己確信が、DJの理性を不透明にしたという指摘を、念頭に置かなければならない。
また、盧次期大統領は、任期中の成果と業績に対する執着が、DJの退場を一段と寂しくしていることを深く刻まなければならない。どうしてうまくやったことは誉めないで、間違ったことだけを暴き出すのかという不満は最高指導者には禁物だ。それが下手すると、議論の道を断ち切ることにつながれば、致命的な結果をもたらすことができるからだ。帝王的な大統領は他にあるのではなく、誰でも「権力の城」に閉じこめられると、仕方なくその道に走るようになる。
結局、すべての問題は人事から始まる。似ている色に似ている声を出す人々が大統領を取り囲むことは危険だ。DJ政権の身内人事と逆地域偏重の論争、相次いだ各種のゲートと、DJの2人の息子も拘束されたということも、それによる。「似たもの同士の文化」を避けて、いつも耳を大きく開いておくべきだというのが、DJが盧次期大統領に残してくれた最も重要な教訓だろう。






