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[社説]新政府の目標は総選挙での勝利ではない

[社説]新政府の目標は総選挙での勝利ではない

Posted January. 24, 2003 22:38,   

大統領選挙で勝ち、次期大統領になる人が、与党の総選挙勝利を望むのは当然のことだ。しかも、現在のような与小野大の政治状況下なら、より切実かも知れない。しかし、総選勝利が新政府の主要目標のように認識されるのは、果して望ましいことなのか。勝利にこだわった結果、ややもすると無理押ししてしまい、そのために与野党の関係も国政も混乱に陥る可能性はないだろうか。

そのような面から、盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領が、一昨日、民主党の宴会で触れた「半統領」発言に簡単には共感できない。彼は、「大統領当選者なのか、半統領当選者なのか、判断がつかない時がある。今度の総選で負ければ、半統領だ。政権を手に入れたのでなく、半権を手に入れたことになる」と話した。国政の效率的運用を強調したのだろうが、次期大統領の発言として適切だったかどうか、考えてみなければならない。

何よりも、盧次期大統領が「数の力」で政治をするという誘惑を振りきれずにいる、とみられやすい。また、「相生の政治」に対する意志も疑われる可能性がある。実際に、この発言後、野党ハンナラ党では激しい批判の声が出始め、せっかく和解のムードに乗っていた政局の雰囲気が、再びギクシャクする兆しを見せていることは残念でならない。

特に、「半統領」発言は、多数党に総理指名権を与えるという「フランス式大統領制」構想とともに、どんな手を打ってでも総選で勝利しなければならないという圧迫感を政界に与えかねない。次期大統領側は否認したが、にもかかわらず、これは、人為的政界改編の可能性まで示唆する。新政府の改革プログラムが「総選勝利用」だと認識され、国民的支持が半減する恐れがある。

大統領は、特定政派の代表ではなく、全国民の代表だ。与党が勝利を収められなければ「半統領」になるしかないというのは、自ら特定政派だけの政治をするという意味にほかならない。盧次期大統領は、総選のことを忘れなければならない。彼が追い求める、説得の政治、妥協の政治をきちんと行い、巨大野党が、足を引っ張るハードルでなく、国政の健全なパートナーになるように、努力するのが優先課題だ。