「私が大韓民国のスパイでしたか?私がもし、大韓民国政府のスパイとして活動した罪で刑務所に入れられるのなら、私のために苦痛を受けている私の家族に補償をして下さい。しかし、スパイでなければ、私がスパイでないということを米政府に堂々と明らかにし、刑務所から出られるよう助けて下さい。両方のどちらかが真実のはずです。私は、補償よりは自由を望んでいます」。
スパイ罪で米刑務所に投獄されているロバート・金氏が、99年10月に送ってきた「大韓民国政府に送る公開質疑書」は、むしろ絶叫に近い。
◆ロバート・金。韓国名は金采坤(キム・チェシン、63歳)。留学に行ってから米国に帰化した。米海軍情報局で20年間、情報分析官として勤めていたところ96年9月、連邦捜査局(FBI)要員に逮捕された。
在米韓国大使館の関係者と共謀し、北朝鮮の動向情報の数十件を韓国に提供した疑いだった。ひたすら韓国のために行ったことで、対価も無かった。大使館の関係者は韓国に召還され、金服役囚は裁判を受け、9年間の懲役刑と3年の保護監察刑を言い渡された。彼は現在、連邦刑務所で服役中だ。しかし、彼から情報を受けた韓国政府が、これまで彼のためにしたことは何も無い。韓国政府とは関係ないとの理由で。
◆ジョナサン・ポラード(49)。米国で生まれたユダヤ系米人。米海軍情報局で勤務中、1000件あまりの国家機密をイスラエルの情報機関に渡した疑いで、85年に逮捕された。彼は米偵察衛星が撮影したアラブの軍事施設の写真とイスラエル内の米情報要員たちの活動状況などを提供し、その対価として5万ドルを受け取ったという。彼が終身刑を言い渡され投獄されると、イスラエル政府はすぐに彼にイスラエルの国籍を与え、今まで彼の釈放のため公開的に努力してきている。米国のクリントン前大統領が彼らの切実な訴えを聞き入れて事件の再検討を約束したほどだ。
◆金服役囚が最近、盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領に、自分の釈放を米政府に要請してほしいという嘆願書を送ってきたという。療養院で闘病中の父親の金尚榮(キム・サンヨン、89歳)氏の臨終を見守ることができるようにしたいということだそうだ。父親の金氏は99年、息子に会いに米国へ行ったが、面会の前日に脳卒中で倒れてしまった。今は痴呆にまでかかっていて、1年待つのも難しいという。息子は「臨終を見守ることができるかどうかは、神様が決めておいたことでしょう。でも何もせずにいることはできないので、嘆願書を送ります」と書いた。自分のため倒れた父親の臨終の瞬間を見守れないのではないかと心配する長男が、涙を流す姿が目の前に浮かぶ。イスラエル首相のスポークスマンは2年前、ポラード氏に対し、「イスラエルに奉仕した人のために闘うのは道徳的義務だ」と話した。韓国政府のだれでもいいから、「道徳的義務」で金服役囚のため力になって欲しいものだ。
文明豪(ムン・ミョンホ)論説委員 munmh97@donga.com






