慶尚南道金海市(キョンサンナムド・キムヘシ)の、あるスーパーマーケットに勤めている呉(オ)某氏(39・女性)は昨年10月、あるクレジットカード会社から自身のカード代金が延滞されていたとの通報を受けて驚いた。調べてみたところ、これといった職場を持っていない夫のカン某氏(43)が、昨年初め呉氏名義で10枚のクレジットカードを作り小遣いと遊興費用に勝手に使っていた。カード代金が延滞された後、他の複数のカードでキャッシングサービスを受け返済してきたことが分かった。夫のカン氏が使った金額は、約5000万ウォン。
呉氏は「夫が5年前も、秘密で自分の名義でカードを作り信用不良者になったことがあり、2年前にようやく信用不良者リストから削除されたのに、あの時の悪夢が再現された」として9日、「夫を処罰してほしい」と警察に通報した。
ソウルに住む鄭(チョン)某氏(41・女性)は、一緒に暮らしている義理の姉が自身のクレジットカード情報を使って、数カ月間にかけて貸出と分割払い購買で約1500万も使った事実が分かったが、警察に告発するべきかどうかで頭を悩ませている。
韓国のCGV映画館に爆発物を設置したと脅迫して16日検挙された犯人の犯行動機も、6000万ウォンにのぼるカード借金のためだったことが判明するなど、「カード借金」が犯罪につながるのはもちろん、家庭崩壊の主犯に浮上しつつある。
韓国の代表的なカード会社A社の場合、最近受け付けられている不正なカード使用の件数のうち60%くらいが、家族や知り合いによって行なわれたものだという。別のカード会社B社の関係者も、「カードを盗用した事故の大半が、家族や知り合いによるものだ」と話した。
消費者保護団体の韓国消費者連盟には、家族と知り合いが本人のカードを使ったとし、相談を求める電話の問い合わせが、1カ月平均約30件に上っている。
法律相談会社のO社のある関係者は、「はなはだしい場合は配偶者のカード借金ゆえに離婚したいとの問い合わせも1カ月に3〜4件ほどあり、次第に増加しつつある傾向だ」と話した。
韓国消費者連盟のト・ヨンスク副会長は「1年前までは、ほぼみられなかった現象」とし、「カード借金ゆえに家族の者も信頼できない社会になってきたのではないか」と憂慮の意を示した。
市民団体「信用社会具現市民連帯」の石承億(ソク・スンオク)事務総長は、「瀬戸際に追い詰められた債務者たちにとって、家族や知人たちのクレジットカードが大きな誘惑の対象にならざるを得ない」との見方を示した。
一方、預信金融協会によると韓国内でのカード融資金額の規模は、昨年9月末の時点で、52兆2861億ウォン、延滞金額は4兆8253億ウォンに上っている。また、全国銀行連合会の集計によれば昨年12月末の時点で、カードローンやカード代金などクレジットカードと関連した個人信用不良者は149万4329人だという。個人信用不良者のうち1000万ウォン以上の借金を抱えている人は129万3451人だった。
金晟圭 kimsk@donga.com






