Go to contents

[社説]憎悪の時代を乗り越え、和合の時代へ

[社説]憎悪の時代を乗り越え、和合の時代へ

Posted December. 31, 2002 22:15,   

新年初めての朝の話題は、国民和合と社会統合だ。いま韓国社会は、地域、世代、階層、労使そして保守と進歩の間のかっとうが、憎悪と対立の様相を見せながら、社会の発展をさえぎっている。

3金(金大中大統領、金泳三前大統領、金鐘泌自民連名誉総裁のこと)で象徴される、古い政治の不幸な遺産が、今回の大統領選挙を通じて広がり、社会分裂への懸念が高まりつつある。

この時代に、最も急がれる課題は、やはり東西の和合だ。今回の大統領選でも、地域間のかっとう構造をそそのかす戦略は依然として現れた。腐敗と国政の混迷が、偏重した人事と家臣による政治から始まった経験があるため、その後遺症についての懸念はさらに大きいのだ。幸いなことに、盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領が慶尚道(キョンサンド)出身でありながら、全羅道(チョルラド)と忠清(チュンチョン)の支持を受けて当選したことによって、これまでの大統領らに比べて、地域かっとうを解消するには、良い条件を持っている点だ。

日本帝国主義による植民支配時代(1910〜1945)と戦争による貧困を体験しながら経済成長を実現してきた50〜60代と、相対的に豊じょうのなかで情報化の恩恵を受てきた20〜30代が、政治的な選択をめぐって、明確に分かれたのも以前には見られなかった現象だ。国内政治はもちろん、対北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)関係、韓米関係などについての世代間の隔たりがあまりにも大きく、意思疎通の障害を懸念しなければならないほどだ。社会の安定的な発展のためには、若い世代の躍動性と年を取った世代の意見の差が、調和する接点を見出さなければならない。

5年間にわたっての経済危機を克服する過程で、貧富の格差が進み、民主主義の基盤である社会的な同質性が大きく傷つけられた。この新年に社会的な弱者への配慮が、さらに強調されるのはそのためだ。労使の平和は、企業経営がしやすい環境作りを通じて、働き口を創出するための前提条件だ。労働者階層の支持を受けた新政権は、企業と労働者を公平に説得する努力を通じて、成長と分配がともに行われる経済を進めていかなければならない。

新政権にとくに求められるのは、政治的な立場と情緒的な土台が異なる人々を包容する、和合の政治だ。改革は、市場経済と自由民主主義がきちんと進むようにするためのシステムでなければならない。次期大統領には、過ぎた時代が残した反目と対決の政治を終えんさせる責務がある。

こうした時、権力とマスコミの健康な緊張関係は、必須条件だ。東亜(トンア)日報は、中道保守の位置で、正確な情報とバランスの取れた意見を表明し、権力の逸脱を監視する正論紙としての役割を続けたいとの立場を、新年の初日にあたって、重ねて表明しておきたい。