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余裕のLG監督—焦りの起亜監督 プロ野球プレーオフ

余裕のLG監督—焦りの起亜監督 プロ野球プレーオフ

Posted October. 29, 2002 23:27,   

「楽しみながらプレーする」

プレーオフ第1戦が終わった後、LGの金星根(キム・ソングン、60)監督はやや意外な話をした。2—1でリードしていた9回裏、李サンフンが起亜(キア)の金インチョルに同点ホームランを打たれた時、どんな気持ちだったかを聞くと、彼は「あんまり驚かなかった。野球というのはもともとそういうものだ。楽しむ気持ちでプレーを見守っている。野球は選手たちがやるもので、僕がやっているわけじゃない」と話した。

試合中、ベンチでも彼は余裕だっぷりの姿だ。まるでほかのチームのプレーを観ているかのように余裕がある。3時間足らずの試合中、表情もまったく変わらない。野球のスタイルも大きく変化した。プレーオフ1、2戦を通じて、金監督はバントを2回だけ指示した。第1戦の1回、無死1塁の場面で、李ジョンヨルに送りバントを指示し、第2戦の9回、柳チヒョンにスクイズバントを指示した。レギュラシーズンで出塁すると、すぐ犠牲バントを駆使していた金監督ではなかった。

彼は今年のポストシーズンで確実に変わった。プレーオフに5回も進んだものの、敗北を喫し続けた監督のわりには余裕に満ちている。まさに野球の道を悟ったような姿だ。

これに対して、2位としてプレーオフに合流した起亜の金城漢(キム・ソンハン、44)監督は、司令塔として初めて行う初のポストシーズンであるせいなのか、焦りが垣間見える。

決定的なところが、第2戦の9回、4—2で追い越していた1死2、3塁の場面で、金監督は故意の四球を指示した。満塁作戦を駆使したわけだが、試合の終盤には逆転走者を出さないのが不文律。専門家はこの作戦を不思議に思った。起亜は満塁の後、李カンチョルに許した体に当たったボールとLGのスクイズバントで4—4の同点に追い上げられた。

レギュラシーズンで攻撃的な野球にこだわっていた金城漢監督は、第1戦の敗北でショックを受けたのか、第2戦では走者が出ると、送りバントを指示し、両監督のスタイルがレギュラシーズンとは正反対に変わってしまった。また、金城漢監督は、締めくくりとしての登板が決まっていた金チンウが不安なピッチングを見せると、プレーオフの途中、彼を中継ぎに回すという「極薬処方」も辞さなかった。先発投手としてのみプレーしたルーキー金チンウを、締めくくりとして起用しようとした戦略が、当初から無理だったことを認めたわけだ。

レギュラシーズンの成績は13勝5敗1引き分けと起亜が絶対的な優勢を示した。チームの順位も起亜が2位、LGが4位。しかし、両チームの司令塔のうち、余裕を持たず、追い上げられているチームは、むしろ金城漢監督のように見える。



金相洙 ssoo@donga.com