ブッシュ米大統領は12日、国連総会での演説を通じ、1991年以後、各種の国連決議に違反しているイラクが、条件なしに化学生物(BC)兵器と核研究施設を閉鎖するよう、国連が積極的に乗り出すべきだと促した。ブッシュ大統領は、「国連が行動しないと、米国が行動する」とし、国連が乗り出さない場合、イラク攻撃に踏み切る考えを強く示唆した。
ブッシュ大統領は同日午前10時半、総会の演説で、「イラクのフセイン大統領は10年間、国連をだまして対抗してきた」と非難し、「国連はイラクが大量破壊兵器査察を受け入れるよう、確実な新しい行動を取るべきだ」と主張した。
ブッシュ大統領の演説は、フセイン政権の打倒に国際社会が賛同することを求めつつ、国連の支援を取り付けようとするねらいを盛り込んでいると、外交筋は分析した。
しかし、ブッシュ大統領の演説に先立って、アナン国連事務総長は総会での演説を通じ、米国単独の軍事行動計画に真正面から反対した。アナン事務総長は「どの国であれ、国際平和と安全に対する広範な脅威に対処するために、軍事力を使用する場合、国連によって正統性を確保するしかほかの方法がない」と強調した。
これに先駆けて、ブッシュ大統領は11日午後、国民向けの9・11同時多発テロ1周年記念演説で、フセイン大統領をにらんで「我々は大量破壊兵器を用いて文明を脅かすいかなるテロリストや独裁者も許さない」と述べ、対イラク攻撃への決意を固めた。
一方AP通信は、ブッシュ大統領が、国連総会での演説前後にイラクが国連による大量破壊兵器査察を受け入れるよう期限を決めておいて、これを拒否する場合、強い対抗措置を言明するといった、新たな要求をする可能性もあると報道した。
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