サウジアラビアの対米投資資金、数千億ドルが米国から流出している。英紙フィナンシャルタイムズは、21日この現象を「米国離れ」と名づけた。
フィナンシャルタイムズは、投資アナリストの話を引用し、「サウジは最近、1000億ドルから2000億ドルの資金をすでに回収した」と報じている。原因の一つは、米経済の低迷で対米投資資金が目減りしたため。しかし、何よりも同時多発テロの犠牲者遺族の天文学的な集団訴訟がこの資金流出を加速させている。
米国の犠牲者遺族600人あまりは、15日サウジの王子とサウジ最大のナショナルバンクなどの銀行、国際イスラム救援組織などのボランティア団体が、同時テロの黒幕といわれるウサマ・ビンラディンを支援したと主張し、1兆ドルの損害賠償訴訟を起こした。訴訟の結果によってサウジの対米投資資金が凍結されたり、押収されるおそれがあるため、急いで資金を回収しているという。
しかし、この資金流出は単に訴訟だけのためではない。サウジは、今回の訴訟が先月10日、米国防総省の最高政策諮問グループである国防政策委員会(DPB)であったブリーフィングと脈らくを同じくしているという疑惑を抱いている。当時、ブリーフィングをしていたランド研究所のノラント・ムラビク研究員は「サウジはアメリカの敵とみなされるべきであり、必要なときにはサウジの油田とアメリカ内の資産も押収できる」と主張した。したがって、このような訴訟が米国内の資産を押収するための前段階ではないかということだ。
今回、訴訟を起こされた銀行のうちの一つであるアルラージ投資開発銀行のスポークスマンは「訴訟はアメリカ内に貯蓄されているサウジアラビア資金を流出させる行為だ」と非難している。サウジが米国に投資した金額は、株式、債券、不動産などに流入した資金を含め、計4000億〜6000億ドル程度と推定されている。すでに、米国内の外国人投資が2000年の3010億ドルから昨年は1240億ドルに激減している状況で、サウジの投資資金回収は米経済に大きな打撃になる見通し。
フィナンシャルタイムズは「サウジの投資家らが、アメリカ内の銀行口座の完全閉鎖までは考慮していないが、回収資金をヨーロッパの銀行口座に移している。これは、ドル安に拍車をかけかねない」と分析している。しかし、米政府としては、民間人の訴訟にまでかかわることはできないため、サウジ資金の米国離れにお手あげの状態だ。
金正眼 credo@donga.com






