政界の争いの場が、今や場外に移ったようだ。与党民主党が今日から、野党ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)大統領候補の息子の兵役不正隠ぺいの真相究明を求める1000万人署名運動に突入するや、ハンナラ党は、大統領弾劾発議と政権退陣運動で対抗すると宣言した。
検察が捜査中であるのに、民主党が何の署名運動をするというのだろうか。疑いの有無や事実関係が署名や国民投票で判断されるとでも思っているのだろうか。あるいは、捜査結果が出る前に国民に予断を持たせるつもりなのか。いずれにせよ、民主主義の根幹である法治主義を脅かす発想である。
また、投票権を持つ成人男女の30%に当たる1000万人から署名を集めるということが、現実的に可能な話だろうか。87年6月の民主化抗争の時、署名運動の目標が1000万人であったことから、それ以来政界は、誰も彼も何かにつけて1000万人署名運動を掲げた。しかし、実際に目標を達成したという話は聞いたことがない。大体が「だめなら仕方ない」という政治攻勢だったのである。
任期残りわずかの大統領に対して弾劾を発議し、政権退陣運動を叫ぶハンナラ党の対応も、見え透いているという点では同じことだ。ハンナラ党がこのような「最後のカード」を抜くように振舞うのも、1度や2度ではない。
現実性と実効性が疑問視される1000万人署名運動や政権退陣運動は、いずれも「偽装大統領選挙運動」としか考えられない。民主党とハンナラ党は、それぞれ国民の視線をライバル政党の問題に向けようと政略的な計算をしているようだ。動機はともかく、民生には背を向けたまま、場外闘争に乗り出そうとすること自体が、国民が眼中にない政界の羞恥のなさを露呈している。
政界にそのような余力があるなら、今すぐ豪雨の被害にあった現場に行って、復旧作業に手を貸すのが道理である。それも嫌なら、張大煥(チャン・デファン)首相代理に対する聴聞会や9月の定期国会の準備をする姿でも見せるほうがまだましであろう。






