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「毒か薬か」ソリバダ中止決定でP2Pサービスめぐり論議拡散

「毒か薬か」ソリバダ中止決定でP2Pサービスめぐり論議拡散

Posted July. 31, 2002 22:42,   

「毒か、薬か」

MP3音楽ファイルのダウンロードサービスを提供するファイル共有サイト「ソリバダ(音の海の意)」に対し、裁判所のサービス中止決定を受け、インターネット上のファイル・ダウンロードサービス(P2P=Peer to Peer)業界に波紋を広げている。

ソリバダは現在、運営者で兄弟の梁(ヤン)イルファン(31)とチョンファン(27)両容疑者が著作権法違反とほう助容疑で起訴されたなか、裁判所が中止決定を執行し、閉鎖される危機に追い込まれている。

こうした動きを受けて、ソリバダをはじめとするP2Pサービスをめぐる攻防も激しく展開されている。

音盤業界は、今回裁判所が下した判決で、音盤市場が活性化するだろうと期待感を示している。その半面、情報技術(IT)業界は、MP3プレーヤーとP2Pサービスなど関連産業のい縮を懸念している。

また、一部のネット利用者たちは、インターネット・コンテンツへの有料化に反対する「コピーレフト(copy left)」精神を掲げて今回の措置に反発している。インターネット上の著作権侵害をめぐる議論にもかかわらず、拡散しつつあるP2Pサービスを点検してみた。

▲P2Pは拡散中〓音盤業界の悩みはソリバダが姿を消しても、代替できるP2Pサービスが多いという点だ。

世界的に使われているP2Pプログラムは、およそ1000個。韓国内で開発されたものだけでも、およそ10個に上る。

外国のプログラムである「電子ロバ(eDonkey)」は利用者が多く、MP3と映像、プログラムなどを交わし合える資料も膨大だ。最近では、韓国のユーザーも増え、韓国内のMP3ファイルだけを専門で取り扱うサーバーらも増えている。ダウンロードをする時、サーバーを経由せず、ユーザー同士で直接ファイルを送られるため、ファイルの送受信が安定的だ。サーバー用のプログラムを受けて直接サーバーを運営することもできる。

昨年10月、サービスを始めた「グルグル」は有料(1カ月当たり3000ウォン)だが、短期間で会員数が100万人を超えるほど人気を博している。電子ロバは、サーバーに繋がっている全てのユーザーのファイルを検索できるが、グルグルは特定のユーザーらのコンピューターに連結し共有が設定されたファイルのみ伝送してもらえる。2のパスワードを使えば、自宅から会社のコンピューターにアクセスしファイルを交わし合う遠隔活用も可能だ。

「ヌテルラ」は、ソリバダやナブスターのような著作権紛争を防ぐため、いっそのことサーバーをなくし、ユーザーのパソコンだけでネットワークを構成する。P2Pサービス、インターネット住所(IP)を隠し、文書を暗号化して完全にそく名性を保障する「フリーネット」もソリバダの代案として注目されている。

▲インターネット活用の代案、P2P〓P2Pはインターネット上のパソコン同士で中央サーバーを経由せず直接連結してファイルを受け取りする革新的なインターネット活用法だ。

各家庭のパソコン数千〜数万台を連結すれば、スーパーコンピューターの性能を出せるという点からP2P技術は、次世代インターネットの活用法として脚光を浴びている。

米カルフォルニア大学の「セティアットホーム(SETI@home)」プロジェクトが代表的なケース。バークレー大学のせティ(SETI)チームが考案したこのプロジェクトは、全世界の家庭で電気ばかりを無駄遣いしている数千台のコンピューターを、外界の生命体を探し出すための資料分析に活用している。セティアットホームのサイト(setiathome.ssl.berkeley.edu)を通じてボランティアらを募集。これらのコンピューターがオフになる時間帯だけ活用し各種の観測資料を分析することによって、スーパーコンピューターでは1000年も費やされる作業をたったの1日で処理している。

セティアットホームのほかにも、世界的にエイズ治療薬剤の開発、気象研究、金融分析、バイオ・生命工学の分野などで類似のプロジェクトが行われている。

P2Pサービス会社「グレテック」の鞖(ベ)インシク社長は「P2P技術が違法なコピーの道具として思われるのは速いスピードの技術発展と、これに追いつかない産業現実の間の断絶現象」だと指摘した。



金泰韓 freewill@donga.com changkim@donga.com