世界で初めて血液幹細胞と肝を連続して移植することで免疫抑制剤を服用しなくてもすむ手術を受けた患者が、3ヵ月経った今も元気に過ごしていることが明らかになり、医学界の注目を集めている。
この患者の手術は、今年5月2日付けの本紙A1面で報じられており、当時、多くの医師はこの手術の成否は3ヵ月が経たないと判断できないと話していた。
カトリック大聖母病院血液内科の金春秋(キム・チュンチュ)教授と金東𨪙(キム・ドンウク)教授、江南(カンナム)聖母病院外科の金東球(キム・ドング)教授は、「白血病と肝硬変症を同時に患っていた朴ポクシク(55)氏に骨髄と肝の移植手術を立て続けに行って3ヵ月が経ち、免疫抑制剤の投与を中断して1ヵ月過ぎた現在、元気に暮らしている」と21日発表した。
パク氏は1月上旬に弟(52)の骨髄の中の血液幹細胞(助血母細胞)を、4月上旬に肝をそれぞれ移植し、肝移植2週間後に免疫抑制剤のMMF投与を中断しており、6月には骨髄移植後に投与していた免疫抑制剤を止め、今は免疫抑制剤はまったく服用していない。
この手術法は血液や免疫細胞に分化する幹細胞である骨髄の中の「助血母細胞」を移植し、免疫体系を供与者と同じものに変えた後で臓器移植をすることで、移植された臓器が患者の免疫体系からの攻撃を受けないようにする画期的な方法だ。
この手術が世界で初めて成功したとの報道を受けて、臓器移植専門医らは「患者の免疫体系がどう変わるか分からないうえ、肝の再生には時間がかかるため、手術後、2、3ヵ月間経過をみる必要がある」と述べていた。
金教授は「現在、朴氏の肝は完全に正常に機能している」と説明した。これは臓器移植後の拒絶反応が根本的に解決したことを意味するもので、臓器移植の新しい転換点になるとみられる。
金東𨪙教授は「パク氏の場合、世界で前例がない上、手術と治療を施す過程で参考にすべき事例がなくて大変苦労した。しかし、これからは骨髄と臓器に同時に問題を抱えている患者にも拡大して適用できるようになった」と説明している。
白血病治療の権威である全南(チョンナム)大医科大学の鞠靛(クク・フン)教授は、「世界初の試みだったために関心をもっていた。患者が肝移植から3ヵ月経った今、免疫抑制剤を全く服用していないことは、新しい治療法が成功したとみなすべきだ」と話している。
新しい生命を取り戻した朴氏は「息をして歩いていることが夢のようだ」として医療スタッフに感謝の気持ちを伝えると同時に、同じ症状で苦しんでいる人々に絶対あきらめないよう呼びかけている。
蔡智榮 yourcat@donga.com






